睡眠時無呼吸症候群の症状、原因と治療【医師監修】

病気を調べる 2017年04月21日(金)

睡眠時無呼吸症候群の症状、原因と治療【医師監修】

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome; SAS)とは、眠っている間に何度も呼吸が止まったり、弱くなるために睡眠の質が悪くなり、昼間に強い眠気や居眠りが生じる状態をいいます。無呼吸または低呼吸の状態が1時間あたり5回以上あればSASと診断されます。女性よりも男性に多くみられ、中高年で発症が増加します。

 

睡眠時無呼吸症候群の症状

SASにもっともよくみられる症状は、いびきや大きな呼吸音です。眠っているときに舌の付け根がのどの奥に落ち込んで空気の通り道が狭くなっていると、呼吸のたびに振動して音が出ます。このほか、眠っている間にみられる症状としては次のようなものがあります。

  •  呼吸が止まる
  •  息苦しさで目が覚め、心臓がどきどきしている
  •  頻尿(何度も起きてトイレに行く)
  •  寝汗をかく

朝起きたときの症状としては、口の中の乾きや喉の痛みがあります。また、脳に酸素が十分送られていないため、頭痛や頭が重い感じがします。普通の人よりも長い時間寝ているのに熟睡感がなく、身体が重い・だるいと感じる方も多いです。

夜間の睡眠が妨げられるため、昼間に強い眠気を覚えます。瞬間的に居眠りをしてしまうことがあるため、運転や危険を伴う作業をする方は特に注意が必要です。そこまで至らなくても倦怠感や疲労感があり、仕事や日常生活においても集中力や注意力が低下します。

また、SASを治療しないでいると高血圧や脳卒中、心筋梗塞などのリスクが増大します。睡眠の質や日中の眠気に関わらず、身体疾患の合併症を予防する上で、SASの精査や治療が重要であると言えます。

 

睡眠時無呼吸症候群の原因

睡眠中に呼吸が止まってしまう原因は、閉塞性と中枢性の2つに分けられます。閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea; OSA)は、空気の通り道である上気道が狭くなって呼吸が止まってしまうもので、SASの患者さんのほとんどはこのタイプです。

中枢性睡眠時無呼吸(central sleep apnea; CSA)は、脳からの呼吸命令に問題があるため、呼吸が低下したときに補おうとする呼吸動作(努力呼吸)が起こりません。このタイプの患者さんはごくまれで、1%未満かせいぜい数%とされています。

また、前半に中枢性睡眠時無呼吸(CSA)、後半に閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)が現れる混合型と呼ばれるタイプもあります。

閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)で上気道が狭くなる要因としては、肥満のため首のまわりに脂肪がつくことや扁桃肥大のほか、舌の付け根、口蓋垂(のどちんこ)、軟口蓋(のどの奥のやわらかい部分)などの組織が分厚くなることが挙げられます。しかも日本人を含むアジア人の多くは、人種的な特徴として顎の骨(下顎骨)が狭小で口腔内のスペースがもともと狭いため、たとえ肥満がなくても気道が狭くなりやすい傾向があります。

 

睡眠時無呼吸症候群の対策・治療

簡易検査

自宅でもできるので病院に泊まる必要がなく、普段寝ているときに近い状態で検査ができます。腕に検査機器をつけ、指先のセンサーで皮膚の上から血中の酸素飽和度を測定し、鼻の下につけたセンサーで空気の流れやいびきの音から気道の狭窄や呼吸の状態を調べます。簡易検査はあくまでもスクリーニングに用います。重症度に応じて夜間睡眠ポリグラフ(下記)が必要になることがあります。

精密検査(終夜睡眠ポリグラフ)

簡易検査でSASの疑いがある場合には、終夜睡眠ポリグラフ(PSG)を行います。医療機関に一晩泊まって睡眠と呼吸の状態を調べる検査で、簡易検査よりも多くの検査項目を詳しく調べることができます。主な検査項目は以下の通りです。

  •  口・鼻の空気の流れ
  •  血中酸素飽和度(SpO2)
  •  胸・お腹の動き(換気運動)
  •  筋電図(睡眠中の足の動きを観察できます)
  •  眼電図
  •  脳波
  •  心電図
  •  いびきの音
  •  睡眠時の姿勢

検査で測定された無呼吸(呼吸が10秒以上止まっている)と低呼吸(SpO2が半分以下に低下している)の合計回数を1時間あたりに換算した数値を無呼吸低呼吸指数(Apnea Hypopnea Index; AHI)といいます。AHIが5以上であればSASと診断されます。また、重症度の診断基準は次のようになります。
5≦AHI<15:軽症
15≦AHI<30:中等症
30≦AHI:重症

SASと診断された場合の治療には、大きく分けてCPAP(持続陽圧呼吸療法)、マウスピース(スリープスプリント)、外科的治療(手術)の3つがあります。軽症であれば減量やアルコールを控えるなど生活習慣の改善で症状がよくなることもあります。また、横を向いて寝ることで呼吸がしやすくなります。

CPAP(持続陽圧呼吸療法)

CPAP(Continuous Positive Airway Pressure; シーパップ)は、鼻に装着したマスクから外よりも高い気圧(陽圧)をかけて空気を送り、舌が落ち込んで気道がふさがることを防ぎます。日本語では持続陽圧呼吸療法と呼ばれます。閉塞性のSASに対してもっとも有効な治療法で、無呼吸低呼吸指数(AHI)が15以上の中等症〜重症のSASに用いられます。CPAP治療を受けるためには通常、専門の病院に定期的に通院する必要があります。

マウスピース

歯科や口腔専門の医療機関で患者さんに合わせた専用のマウスピースを作成します。下あごが上あごよりも前に出るように噛み合わせを固定することによって、口腔内のスペースを拡げ、空気の通り道を確保します。スリープスプリントとも呼ばれます。軽症から中等症までの閉塞性SAS(CPAP圧の低い方)に対しては一定の効果が期待できますが、重症例には基本的にCPAPが推奨されます。

外科的治療

小児では、アデノイドや扁桃肥大のために上気道が狭くなっていることが原因でSASになることがあります。このようなケースでは手術で摘出することが有効です。また、狭い上気道を広げる目的で顎の骨を切って広げる手術もありますが、日本ではあまり行われていません。

 

監修:新橋スリープ・メンタルクリニック 院長  佐藤 幹 先生

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