<ドクターズインタビュー>睡眠の“テーラーメイド治療”の実現 ~愛知医科大学 睡眠科 教授の塩見 利明 先生~

Medical 2016年12月19日(月)

<ドクターズインタビュー>睡眠の“テーラーメイド治療”の実現 ~愛知医科大学 睡眠科 教授の塩見 利明 先生~

睡眠障害の治療

ドクターズインタビューのコーナーでは、睡眠の専門家である全国のドクターに、睡眠に関する様々なお話を伺います。今回は、愛知医科大学 睡眠科 教授の塩見 利明 先生に、睡眠障害の治療についてお伺いしました。

Q 睡眠障害の治療にはどんなものがありますか。

A まず睡眠衛生教育が挙げられます。

これは眠りに関する基礎知識を教えるもので、そもそも睡眠とは何でなぜ必要なのかから始めます。そして自分の睡眠の状態を知って、自分でも対策を立てるのが目的です。睡眠障害の種類によっては高照度光療法が有効な場合もあります。これは2,500ルクス以上の高照度の照明を使用して、睡眠の時間帯がズレている人に施されます。太陽光のような強い光を浴びることによって、日中の活動期を脳に覚えさせるわけです。すると夜の暗さを感じたときに自然と眠りにつけるように身体のリズムが整います。薬物治療もあります。眠りに就きやすく、眠りを維持しやすくする薬を処方して、本人が快適に眠れる状態を補助するのが目的です。

薬を使わない治療法

Q 薬を使わない治療法もあるのですね。

A 海外では睡眠に問題が出ると、ドクターより先にメンタリストやカウンセラーのところに行きます。

日本でいえば臨床心理士です。臨床心理士は主に認知行動療法の分野です。特に不眠症患者は眠れないことに不安感を抱きます。ひどいと寝室に行くことすら恐怖になることがあります。この認識のゆがみを取り除いていくのが認知行動療法です。愛知医科大学病院の睡眠科外来ではこの認知行動療法を含め、睡眠障害以外の疾患をもフォローできるチーム医療を実施しています。

Q 睡眠薬の治療には抵抗があります。

A 多くの方はそうおっしゃいます。睡眠薬と聞くと、誤った服用法で死亡したり、依存したりするというネガティブなイメージがありますから。

しかしこれはひと昔どころかふた昔も前のお話です。現在では、実際に処方される薬は依存性も低くずっと安全です。睡眠のメカニズムが解明されてきたのと同様に、薬も改良されてきたのです。睡眠障害にはこの治療と決まっているわけではなく、患者さんの持病やライフスタイルに応じた投薬や治療を行うのが私たち医師の務めです。いわゆるテーラーメイド治療が睡眠障害には特に重要なのですね。

アルコールとの併用

Q すでに睡眠薬による治療を受けている人が、注意をすることはありますか。

A アルコールとの併用はやめましょう。

薬の作用が強く現れて、不都合なことが起こり得ます。お腹いっぱいまで食事をした直後に飲んでも、効果が出にくくなったりします。薬による治療をやめたがる患者さんは実際に多くいます。どうしてもやめたいときは自分で勝手にやめないようにしましょう。自己判断で薬の服用をやめてしまうと、反跳性不眠といって余計に不眠症が悪化する可能性もあります。

Q 睡眠障害にならないようにするにはどうすればいいでしょうか。

A まず、自分の睡眠について知りましょう。

意外と知らないこと、気がついていないことが多くあります。例えば、なぜ眠れなくなったのか、それはいつからか、どれくらい持続しているのかなどです。この質問に対してサッと答えられる不眠の人はそう多くないと思います。治療の現場でも使われる方法ですが、睡眠日誌は有効です。睡眠時間だけでなく、就寝した時間帯、実際に眠りに就いた時刻や目覚めた時刻、ベッドから出た時刻など、睡眠に関係することはどんどん書いていきます。だいたい2週間から1ヶ月も書いてみると自分の睡眠パターンやリズムが分かります。そうなれば自分でこうしたら良く眠れる、今度はこうしてみようと睡眠に対してポジティブになれますよ。

*睡眠日誌をご入用の際には、お近くの医療機関までお尋ねください。

【提供:武田薬品工業株式会社

photo by Jess Sloss

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