現役医師が教える不眠症教室-睡眠薬に依存しない5つの方法

Medical 2016年11月22日(火)

現役医師が教える不眠症教室-睡眠薬に依存しない5つの方法

睡眠薬の種類

眠れない、でも眠らなくてはいけない。処方された睡眠薬は怖くて飲みたくない!睡眠薬を実際に処方されている方でも、様々なところで耳にする副作用や依存性の話が気になって飲めないという方は意外に多くいらっしゃいます。

ここでは、巷で言われているような睡眠薬の怖い副作用の疑問など、病院では直接聞けないような悩みの答えを紹介していきたいと思います。これを読んで賢く睡眠薬を使いこなしましょう!

 


副作用や依存性とはどういうことを言うのでしょうか?

副作用とは、睡眠薬を飲んだ時に起こる体の不調をさしています。また、薬に対しての依存性とはその薬を飲まないと不安になったり、飲まないと寝られなくなることを意味しています。

睡眠薬と一口に言っても、現在では様々な種類の睡眠薬がありますのでその副作用は様々です。また、自分に合った睡眠薬というのは中々難しく、医師も一人一人の患者さんに対して違った処方箋をその方の体調や既往歴などに合わせて調整していきます。

そのため、初めて睡眠薬を飲む方は、ゆっくり眠れる日などを選び自分に合っているかどうかを確かめなくてはいけません。そして、合っていない場合は医師に伝え違った睡眠薬を出してもらうことも必要になってきます。

 

身体に合わない睡眠薬とは?

では、どのようなことが起こる場合、睡眠薬が自分に合っていないのでしょうか?以下のようなことが起こる場合に合っていないと考えられます。また、最低でも3回以上は睡眠薬を飲んでみて試してみて下さいね。

•朝、眠くて(またはかったるくて)起きて仕事や学校へいけない
•午前中だるくて何も体が動かない、または頭が働かない
•逆に寝れなくなってしまった
•記憶がない、起きる時間のアラームの音が聞こえない
•眠る時間帯がずれてしまう
例:夜中の1時過ぎになると寝れるなど大幅に眠くなる時間がずれてしまう
•睡眠以外に体調が悪くなる
例:腹痛、吐き気、頭痛、血尿、力が入らないなど

これらの症状が出た場合には(3日以上)使用をやめ、医師にその旨を伝えて違った薬を出してもらうようにしましょう。

 


睡眠薬は一度飲むとやめられなくなるの?

じつは、結論は未だ研究段階であり、明確な答えは出ていない状態です。

 

2つの種類の依存性

依存性には2つの種類があります。

1.精神依存
その薬を飲まないと不安になったりする症状をいいますが、睡眠薬の場合にはこの精神依存はあまり見られません。なぜならば、抗うつ剤などと違い睡眠薬を飲んでも不安の軽減や心がすっきりするなどの効果は得られないためです。

2.身体依存
睡眠薬はこの身体依存が一番の問題になってきます。身体依存とは、その薬を飲まないと眠れなくなくなり手放せなくなってしまうことを指します。これは、薬を飲んでいる時には感じませんが、睡眠薬の使用を止めた時に不眠などが再び起こり薬を手放せなくなってしまいます。これは「(薬の)離脱症状」と呼ばれます。

 

一番よく病院で処方されている睡眠薬

現在の睡眠薬は「ベンゾジアゼピン受容体作動薬」とよばれる薬がメインの治療薬になっています。一般的には「ハルシオン」や「マイスリー」という名前で知られていると思います。

この睡眠薬は脳の中の神経伝達物質であり、興奮を伝えるGABAという物質と複合体を形成しているベンゾジアゼピン受容体と結合し、GABAが中枢神経系に興奮を伝える働きを抑え眠気をもたらします。

 

睡眠薬と依存との関係

海外では既に、「ベンゾジアゼピン受容体作用薬」などにおける依存性はないという実験結果も出ています。

例えば、マイスリーという睡眠薬を継続して飲んだ場合に依存したかどうか実験では、プラセボグループ(薬を飲んでいないグループ)と同じだったという結果も出ています
(参照URL:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8071269)

そのため、現在までの研究結果では以下のような結論が出されています。

•依存性がある人もいる
•誰にでも依存性ができるわけではない
•長期の服用は控える(6か月以上)、長期に服用すると依存傾向が強くなる

 

 


睡眠薬はいつ飲むが一番いいの?

ここでは、自分に合った睡眠薬という前提の下で話を進めます。なぜならば自分に合っていない睡眠薬であれば、時間通り飲んでも効かなかったり反対に効きすぎたりするためです。

ベストな飲み方

寝る30分から1時間前には飲みましょう。また、以下のような状況が起きそうな場合には飲むのを少し遅らせたり、飲まないでいましょう。

•急な用事で運転をするかもしれない
•家族が病気で深夜に病院へ行く可能性がある
•自分自身が吐き気があり、吐いてしまう可能性がある

睡眠薬は医薬品ですので、自分の意思で自由に動くことも難しくなります。睡眠薬を飲んだ後の運転はできません。また、家族が病気の時には、起こしに来ても起きられず、お世話ができない状態です。さらに吐き気があり吐く可能性が高い場合には、眠ってしまいその吐しゃ物が気道に詰まり呼吸困難になってしまう可能性もあり大変危険です。

 


睡眠薬に依存しない方法5選

睡眠薬は誰でも依存する可能性を持っています。そこで、ここでは睡眠薬を賢く使う方法5選を紹介したいと思います。

 

1.睡眠障害の原因を見つける

睡眠薬を飲んでいても根本的な解決にはなりません。そのため睡眠障害に陥っている原因を見つけ出すことが大切です。

例えば、暴飲暴食などは睡眠障害になりやすいです。逆に過激なダイエットで夕食を抜くことなども睡眠の妨げになる場合があります。

また、無呼吸症候群などのために無意識の内に眠りが浅くなったり、無意識の体の不調のために眠れない可能性もあります。そのため、睡眠薬を飲む前に眠れなくなった本当の原因を探し出しその原因をしっかりと治すことが重要です。

 

2.眠れそうな場合には薬を使わない

自然に眠れそうな場合には薬を飲まないことも大切です。また、眠気が襲ってきた場合にはとりあえず何もせずそのまま寝てしまうことをおすすめします。小さなお子さんを持っていらっしゃる方などは大変なことだと思いますが、それが習慣となれば睡眠薬に依存せずに自然な眠りに入れます。

 

3.眠れるようになってきたら短時間型の薬に変える

睡眠薬にはその効き目の長さによって超短時間型から長時間型まで大きく4つの種類に分けられます。長時間型はどうしても長い時間眠れない人用の睡眠薬です。超短時間型は寝入りが悪い人用の睡眠薬であり持続時間が短いため次の日に残りません。

そこで、長時間型の薬により眠れるようになった方は、担当の医師と相談し徐々に短時間型の睡眠薬に変えてもらうようにしましょう。

 

4.6か月間を1区切りにする

依存性はないと言われますが、長い期間継続して睡眠薬を飲んでいれば依存性が高くなってきます。そこで、6か月間だけ睡眠薬を飲むと決めその間に自分の睡眠障害の原因を探してみてはいかがでしょうか。6か月を過ぎてもその睡眠薬を手放せないようであれば、依存性が高いので医師に相談してみるのをおすすめします。

 

5.どうしても眠れないと分かっている場合には、しっかりと睡眠薬を飲む

皆さんの中には睡眠薬の副作用や依存性を気にしすぎて却って睡眠障害が酷くなってしあう方もいらっしゃいます。しかし、睡眠をとれないと副作用や依存よりも先に体調を壊してしまう場合が多いです。そのためどうしても寝れないと分かっているような場合には、睡眠薬をしっかりと飲んで睡眠を取ってください。

例:30代女性の場合
ふだんは睡眠薬なしでも眠れますが、生理中だけは2日間何をしても眠れないのでその2日間だけは寝る1時間前には睡眠薬を飲みます。

例:20代女性の場合
仕事が忙しい時期は深夜の帰宅が多くなります。それが終わると定時に帰れるのですが、どうしても眠れません。そのため、睡眠薬を飲み寝るようにしています。それが2~3日間続くと眠れるようになるので、睡眠薬を使わずに寝ます。

このように、自分の生活習慣なども考慮して睡眠薬を使用してみてください。

 

睡眠薬を飲むうえで大切なこと

この5つのルールは絶対に守りましょう!

1.眠れないからと言って、指定された量以上は飲まない

2.アルコールや他の薬と一緒に自己判断で飲まない

3.体調の悪い日は飲まない

4.あまり依存性や副作用を心配しない

5.時間がある時は、飲まないように心がける

睡眠障害でなくても誰にでも眠れないという場合はあります。睡眠薬を持っているからと言って安易に使用するのではなく自然な眠りを目標にしてみましょう。

 

<筆者プロフィール>

ニックネーム:benichan
カリブ海で内科医師をしています。最新機器がない島で最低限の技術で工夫して患者さんを診察しています。自分自身も入眠障害型の不眠症なので、皆さんと一緒に問題を解決していきたいと思っています。日本の医療技術は先進国の中でも高い技術を誇っていますので、その技術の恩恵を利用しない手はありません!不眠を改善し、朝までぐっすり眠りましょう!

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