現役医師が教える、眠れない時の過ごし方5選 -「羊を数える」に効果はあるのか?

Topics 2016年11月22日(火)

現役医師が教える、眠れない時の過ごし方5選 -「羊を数える」に効果はあるのか?

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皆さんは眠れない時どのように過ごされていますか?中には「寝れないならば、寝ないでそのまま起きていよう!」と思う方もいらっしゃると思いますが、毎日それでは体調も悪くなってしまいます。今回は昔から言われている眠くない時の対処方法が、本当に効果があるのかどうかを説明していきたいと思います。

 


睡眠による脳波の違い

私たちが眠りに入る時に脳波を計ると、寝入り時の「うとうと」という時期はα波とθ波という特殊な脳波が交互に入り混じった状態を示しています。そこから本格的な睡眠状態に入るには、α波が少なくならなくてはいけません。少し知識のある方は「あれれ、でもα波はよく睡眠に大切っていうけど」と思われたかもしれません。

実は睡眠とは、α(アルファ)波、θ(ベータ)波、δ(デルタ)波がそれぞれバランス良く均衡を保っている状態でなくてはならない、絶妙なバランスの元に成り立っているんです。

α波というのは無くても困る脳波であり、睡眠を促す作用を持っています。そのため、寝入りが悪いという人はこのα波が脳に表れない興奮している状態か、逆にα波が出ているにも関わらず何らかの原因によりα波が50%以下にならず、深い眠りを誘うθ波に移行しないために起こることなのです。

まとめると以下のようになります。

•睡眠はα波、θ波、δ波がバランスよく移り変わって深い眠りになる

•どの波が欠けても質の良い眠いは得らえない
•寝入りが悪い人はα波が出ない
又は
•α波がθ波に移行しない

 


疑問1 「羊を数える」は効果があるの?

羊を数えるというのは、科学的に証明されている方法です。精神医学では「睡眠誘導法」とも言われ、羊だけでなく単一の物事や言葉を繰り返す事によってα波(リラックスしたり、睡眠を誘う脳波)が出やすくなります。

例えば、単一な言葉や物事などでは以下の方法が効果的です。
•2の倍数を数えてみる「2,4,6,8,10,12…」
•羊の代わりに自分の好きな動物などを、1匹ずつ抱き上げる想像をする
•苦手な教科書や難しそうな書籍を読んでみる
*注意:たまに余計寝れなくなる場合もあるので試してみて、自分に合っていない場合は止めたほうがいいでしょう

また単一なものではなく、のどかな風景や壮大な景色、川の流れや風の音など自分がリラックスできるような想像や音などを聞くのもおすすめします。

 

では、なぜ敢えて羊なのでしょうか?

色々な説がありますが、羊というのは海外では田園風景やのどかな風景と1セットになっているイメージのものです。そのため、馴染みがある=イメージしやすいという手軽さとのどかな田園風景を思い起こさせてくれるからではないかと言われています。

 


疑問2 ホットミルクは効果があるの?

結論から申し上げますと、直接的な効果はあまり望めません。ただし、寝る前の睡眠儀式など自分の記憶に定着させるには良いと思います。理由は以下の通りです。
•ミルクに含まれる睡眠に必要なアミノ酸は睡眠を促すには少なすぎる
•体が温まるので冬は寝やすくなる
•ミルクに含まれる糖分が血糖値をあげるのでリラックス効果はある
•寝る前のミルク=寝るというのが固定されれば心理的な面からは睡眠効果が期待できる

しかし、ミルクが睡眠に効果がある以上に虫歯などの方が現在では問題になってきています。そのため、寝る前の儀式として完全に眠れる人はいいですが、初めて行う人にはあまりおすすめできない方法です。

 


疑問3 寝酒は効果があるの?

寝酒はかなり危険な方法なので絶対に止めてください。また、飲酒は血管が広がった後に急に縮まる作用があります。深い眠りに入るためには筋肉が完全にリラックスして柔らかくなっていなくてはいけません(弛緩といいます)が、血管が縮まることにより筋肉もリラックスできないため、深い眠りにはならず真夜中に起きてしまったり、朝起きても疲れが取れないような眠りになってしまいがちです。

また、寝酒は体に以下のような最悪の状態をもたらしますので、健康にも悪いです。

•脱水症状になりやすい
体内ではアルコールを分解するためにかなりの水を使います。そのため、脱水症状になりやすくなります。

•血管を痛めやすい
上記で述べたように血管が広がって、また縮まります。その繰り返しにより血管が弱くなり破れやすくなります。

•脳出血、心筋梗塞、脳梗塞などを起こしやすくなる
長い間の血管の酷使により、血管から出血したり、水分が足りないために血液の量が少なくなり心臓や脳の血管に回らなくなることにより心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなります。

•依存しやすくなる
寝酒の習慣をつけてしまうと、アルコール依存症のようにアルコールなしで寝るのが難しくなります。また、ビタミンB1や葉酸などのビタミンも欠乏しやすくなるので健康にも影響がでます。

 


眠れない時の過ごし方おすすめ5選

では、どうやったら眠れるようになるのでしょうか?ここでは睡眠薬ではなく、誰にでも行えるような方法を紹介したいと思います。

 

おすすめ1.筋弛緩方法

正式には、漸進的筋弛緩法と言います。この方法は筋肉をわざと緊張させてから一気に弛緩させる方法です。この方法を肩から順に足先まで行うことによって血流を良くし、効率よく筋肉をリラックスさせてくれるので自然な睡眠が望めます。

<やり方>

順番は、肩→腕・手先→胸・腹筋→背中・お尻→太もも→膝から下→足先というふうに徐々に下に下るようにしていってください。また、自分のやりやすいように順番は変えていっても大丈夫です。
1.肩にぎゅっと力を入れます(イメージがつかめない方は、バケツを肩の高さまで持ち上げる感じです)
2.そのまま8秒数えます
3.力を抜き、10秒ほどお休みします
4.次に腕と手に力を入れます
5.1~3を行っていきます
6.最後につま先まで行ったら終わりです。

 

おすすめ2.睡眠環境を整える

寝るためには、脳と体をリラックスさせることから始めなくてはいけません。そこで、以下のことを行ってください。

•ネットやメールなど寝る1時間前に終わらせる
•部屋はできるだけ暗くする
•頭を冷やすようにする(足先が温まります)
•心配や悩みは考えない
•寝具など自分の好みに合った素材にする

これらは、意外に眠れない方にとっては重要です。それ以外にも頭と体(筋肉)をリラックスさせるようにアレンジしてみて下さい。

 

おすすめ3.ストレッチ

寝る前のストレッチはかなり寝入りが悪いタイプの方には効果的です。筋肉が固まりすぎて血行が悪いために中々眠れない方も多いからです。

<やり方>
基本的にはあまり強くやらず、気持ちいい程度で行って下さい。
1.頭皮を優しくマッサージする
2.首を前に倒し10秒、後ろに倒し10秒、左右も同様に10秒伸ばしてください
*注意:首が痛い人は行わないようにしてください。または、手を使って優しく円を描くようにマッサージするのも首を痛めずに筋肉が伸ばせるのでおすすめです。
3.他の部分も全て伸ばし、ストレッチを行う
運動を行わない人は、とくに背中と肩の血流が悪いために寝られない人も多いです。そのため、時間が無い方は背中と肩を中心に行っても効果があります。

 

おすすめ4.睡眠誘導法を実践する

上記でも述べた睡眠誘導法を実践してみてください。私は自分自身が猫好きなので、子猫を思い浮かべながら1匹ずつ数えていきます。

 

おすすめ5.睡眠儀式を見つける

これをすると寝られる!という自分に合った睡眠儀式を見つけてください。

例えば、
•決まった写真集を見る
•ブランケットの端や枕を触る
•抱き枕に抱きつく

など、これは眠れるというようなものを見つけてください。ちなみに、私はギャグ漫画や自分の髪の毛を触っていると眠れるので、そのどちらかを毎日行って寝ています。

 

<筆者プロフィール>

ニックネーム:benichan
カリブ海で内科医師をしています。最新機器がない島で最低限の技術で工夫して患者さんを診察しています。自分自身も入眠障害型の不眠症なので、皆さんと一緒に問題を解決していきたいと思っています。日本の医療技術は先進国の中でも高い技術を誇っていますので、その技術の恩恵を利用しない手はありません!不眠を改善し、朝までぐっすり眠りましょう!

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