不眠症の薬って?睡眠薬の副作用が不安なあなたへ

Medical 2016年10月21日(金)

不眠症の薬って?睡眠薬の副作用が不安なあなたへ

睡眠薬の薬

眠れない…薬を飲んでみようと思いつつ、副作用が怖くてなかなか手を出せない。病院に行くのが怖い。そんなあなたのために、不眠症の様々なお薬と、お薬を飲むときの注意点をご説明します。

睡眠薬の様々な分類

現在使用されている睡眠薬は、その半減期に基づいて超短時間作用型、短時間作用型、中間作用型、長時間作用型に分類されています。

作用時間 一般名 製品名 *臨床用量(mg) *消失半減期(時間)
超短時間作用型 ゾルピデム マイスリー 5~10 2
トリアゾラム ハルシオン 0.125~0.25 2~4
ゾピクロン アモバン 7.5~10 4
短時間作用型 ブロチゾラム レンドルミン 0.25~0.5 7
リルマザホン リスミー 1~2 10
ロルメタゼパム エバミール、ロラメット 1~2 10
中間作用型 ニメタゼパム エリミン 3~5 21
フルニトラゼパム ロヒピノール、サイレース 0.5~2 24
エスタゾラム ユーロジン 1~4 24
ニトラゼパム ベンザリン、ネルボン 5~10 28
長時間作用型 フルラゼパム ダルメート、ベノジール 10~30 65
ハロキサゾラム ソメリン 5~10 85
クアゼパム ドラール 15~30 36
メラトニンアゴニスト ラメルテオン ロゼレム 8 1
オレキシンアンタゴニスト スボレキサント ベルソムラ 15~20 10

*「睡眠薬の適正な使⽤と休薬のための診療ガイドライン」、添付文書 改変

“起床後はスッキリ”が理想的

睡眠薬は、寝床にいる間だけ効いて、起床後速やかにさめてくれるのが理想的です。夜間どんなにしっかり眠れても、起床後に眠気が残ってしまうのは、日中パフォーマンスの低下につながり避ける必要があります。

同じ薬でも効果は人によって様々

薬剤選択のポイントは、なるべく半減期の短い薬剤から投与し、翌朝に眠気を持ち越さないことです。もし半減期の短い薬剤で満足のいく効果が得られないようであれば、一段ずつ半減期の長い薬剤に変更しながら、起床時刻の手前から飲む時間を調節していきます。同じ薬剤でも、吸収代謝、作用時間は個人差が大きいこと、投与量が増えれば作用時間も長くなること、高齢の方では代謝・排泄機能の低下を考慮して成人量の半分から投与することなどの基本を押さえた上で、薬剤を選択していくことがポイントです。

単剤投与が原則

睡眠薬を単剤で長期間使用しても、高齢の方を除き、身体的、精神的な機能には大きく影響しません。一方、多剤併用の場合には、依存・耐性や転倒・ふらつきなどリスクの増大、さらに日中QOL(生活の質)の低下など弊害が生じやすいため、要注意です。

患者さんの症状別、処方例

●「この薬(超短時間作用型)を服用すると、目覚まし時計のアラームが鳴る2時間前に目が浅覚めてしまいます」
⇒ 短時間作用型へ変更○
⇒ 超短時間型に短時間作用型を追加△

●「この薬(短時間作用型)を服用すると、途中で何度も目がさめて、眠れなくなります」
⇒ 中間作用型へ変更○
⇒ 短時間作用型に中間作用型と長時間作用型を追加×

●短期間かつ頓服(症状があるときだけ服用)であれば許容範囲内とされる2剤投与もあります。1剤服用しても、どうしても入眠できない場合
⇒ 超短時間作用型の追加

●服用後に2,3時間で中途覚醒してしまい、その後、再入眠できない場合
⇒ 超短時間作用型の追加

●不安やイライラなど精神面で安定しない場合
⇒ 抗不安薬と睡眠薬の併用

近年登場した、様々なタイプの睡眠薬

ロゼレム(一般名:ラメルテオン)はメラトニン受容体のMT1受容体に対する親和性がメラトニンの約6倍である一方、γ-アミノ酪酸(GABA)受容体への結合能を示さないので、従来の睡眠薬にみられる筋弛緩作用、記憶低下作用、中断時の反跳現象、離脱症状は生じません。副作用が少ない点から、通常の睡眠薬によるふらつきや残眠が生じやすい高齢者、呼吸抑制などが懸念される慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの方が使いやすい薬剤です。

世界最先端の研究拠点つくばで生まれた睡眠薬

ベルソムラ(一般名:スボレキサント)は覚醒効果のあるオレキシンがオレキシン受容体に結合することを妨げることにより不眠症に効果を示す、今までにない作用機序の新しい薬剤で、γ-アミノ酪酸(GABA)受容体を介した作用ではないため、認知機能障害などが生じにくいと考えられます。しかし、半減期が比較的長く、残眠に注意しながら使用する必要があります。

やめ方にもコツがある

睡眠薬を突然中止すると、服用する前よりさらにひどい不眠状態で出現する反跳性不眠や、不安感、振戦、発汗などの退薬症候が現われる可能性があります。
睡眠薬服用に対して不安の強い方が、数回の服用後「眠れたから」と自己判断で服用を中止した場合が危険です。あらかじめこのリスクを理解しておかないと、反跳性不眠や退薬症候を「睡眠薬依存になってしまったのでは?」と勘違いして、睡眠薬に対する不安、偏見がますます強くなり、治療がこじれてしまいます。

服用を開始する際には、眠れるようになっても急に薬を飲むのをやめたりせず、医師と相談しながら徐々に減量していくことを覚えておいてください。
最初の週は無理のないよう、3/4錠、半錠、1/4錠と徐々に減量していく漸減法(ぜんげんほう)をとるようにします。休日前の金曜日の夜から徐々に始めましょう。
半減期の長い中間作用型や長時間作用型の場合には、休日前夜などから始めて、服用しない日を徐々に増やしていく隔日法も可能になります。
服用薬剤や患者さんのライフスタイルに合わせて、両者をうまくコンビネーションしながら、慌てず漸減していくことがポイントです。

[参考]
厚⽣労働科学研究・障害者対策総合研究事業「睡眠薬の適正使⽤及び減量・中⽌のための診療ガイドラインに関する研究班」および⽇本睡眠学会・睡眠薬使⽤ガイドライン作成ワーキンググループ 編 『睡眠薬の適正な使⽤と休薬のための診療ガイドライン』
http://www.jssr.jp/data/pdf/suiminyaku-guideline.pdf

Photo by Jamie

体内時計クイズ ~あなたはどのくらい知っている?~

寝る前にお茶やコーヒー、タバコなどをとるのはなぜよくないのでしょうか?

正解はこちら

快眠キュレーターが厳選!!「快眠グッズ」

たった5分!即効性抜群の快眠ストレッチ
整えよう、体内時計。自然な眠りと朝の目覚め。体内時計.jp
Nelture
ネムジム食堂