「あなたが眠れない原因」を理解して変える!「認知行動療法」とは?

Medical 2015年11月17日(火)

「あなたが眠れない原因」を理解して変える!「認知行動療法」とは?

認知行動療法

睡眠障害のなかで最も多い疾患が「不眠症」。疾患とまではいかなくても、厚生労働省の推計では、成人の5人に1人が不眠に悩んでいると言われています。

一時的なものでも慢性的なものでも「何だか寝付けない」「朝すっきり起きられない」などの症状に悩んだことのある人は多いのではないでしょうか?

ただ、眠れないからといって「眠りによい」と言われることを闇雲に実践していても必ずしも眠れるようになるとはかぎりません。「なぜ、眠れないか」は個人によって原因が違うからです。

眠りを妨げるさまざまなものとは

不眠の原因は何なのでしょうか。誰にも心当たりがあり、よく挙げられる一つが「ストレス」です。ストレスは副腎髄質ホルモンの活動を活発化し、交感神経に刺激を与えるため、ストレスが続くと心身の緊張がとけずになかなか眠りに入っていけません。

また、近年話題になっているのが夜間の照明による弊害。夜も明るい照明の下で過ごしているために、脳が覚醒してしまい、適切な時間の入眠を妨げていると言われます。

また他には、寝具が体に合っていないのかもしれません。あるいは、コーヒーを飲みすぎてカフェインで目がさえているのかも…。意識下で悩みごとがあるのかもしれませんし、眠りにこだわりすぎて、逆に目がさえてしまっているのかもしれません。

がんばって眠ろうとしてあれこれやってみたけれど逆に眠れなくなってしまった…という人も多いのではないでしょうか。

自分を見つめなおして不眠を改善する

不眠症の治療の現場では近年、「認知行動療法」という治療が成果を出してきています。これは不眠に悩む患者さんが自らの行動や思考を検証し、不眠につながる行動や考え方のクセなどを理解してそれを変えていくことで眠れるようにするというものです。

例えば、「自分は寝つきが悪いため十分な睡眠がとれていない」と思っている人も、実際の睡眠時間を記録してみると、合計時間では意外に眠れていたり、昼寝で睡眠を補っていた、ということに気づいたりします。

あるいは、「○時間は寝なければだめ」と思い込んでいても、実際にはそれよりも少ない睡眠時間で十分に昼間に活動できることを認識したりします。このような「間違った思い込み」に気づくことができれば、それを生活の中で直していけばよいのです。

「寝不足だから早く寝よう」が落とし穴!?

例えばあまり眠れなかった日、「今日はつらいからあまりなにもやらずに、早めに床につこう」という思考に多くの人が陥りがち。しかし、これで不眠のサイクルが始まってしまう場合があります。

体の疲れも眠気もない状態では、ただ早く床についてもなかなか寝付けず入眠困難になったり、眠りが浅くなって途中覚醒してしまいます。そして「また眠れなかった」と思い、「今度こそは」とまた早く床につく…。これでは悪循環の繰り返しです。

認知行動療法では、このサイクルが見られた場合は床にいる時間を逆に短くするようにします。すると睡眠が凝縮されて質が上がり、入眠困難や途中覚醒に悩まされることが少なくなるのです。

自分の行動を振り返ってヒントを見つけよう

この「認知行動療法」は、染み付いた生活習慣や考え方を変えていかなければならないため、治療の現場では時間をかけてじっくりと取り組む必要があり、短時間では成果が出にくいという難点があります。

しかし、一度この治療法で改善すれば、その効果を長く保持していけるという大きなメリットがあり、実際に多くの成果も出ています。仕事などが忙しく落ち着いて病院に通えない人に対しても、自分で取り組める認知行動療法が本などで紹介されています。

病気というほどではないが不眠で悩んでいる、という人にも参考になる療法です。自分が床に入った時間や寝ついた時間、起床時間、食事や入浴などを記録して振り返ってみてはいかがでしょうか。快眠に結びつくヒントが見つかるかもしれません。

監修:睡眠総合ケアクリニック代々木 理事長 井上 雄一 先生
参考書籍:『認知行動療法で改善する不眠症』岡島 義、井上雄一/すばる舎

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