眠れない原因は、身体のリズムが乱れているせいかも? ライフスタイル改善から始める不眠解消法

Medical 2015年11月02日(月)

眠れない原因は、身体のリズムが乱れているせいかも? ライフスタイル改善から始める不眠解消法

身体のリズム

ドクターズインタビューのコーナーでは、睡眠や体内時計の専門家に様々なお話を伺います。今回は、日本睡眠学会理事・睡眠総合ケアクリニック代々木 理事長の井上雄一先生に、近年増加している睡眠障害について教えていただきました。

Q 睡眠障害とはどのような病気でしょうか。

A 睡眠に関わるさまざまな疾患をまとめて睡眠障害といいますが、細かく分けると90種類くらいになります。睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー、むずむず脚症候群などは名前を聞いたことがある人も多いでしょう。ただ、最も多いのはやはり不眠症でしょうね。

Q 「眠れない」ということですね。不眠の患者さんは増えているのでしょうか。

A 増加傾向にあると思います。日本だけでなくどの国でも同じ傾向で、大きな原因はライフスタイルの変化ですね。生活の夜型化で夜遅くまで照明にさらされたり、深夜業務、交代勤務などの影響で、寝起きのサイクルが崩れてしまっている人が大勢います。

体内時計が狂って適切な時間に就寝、覚醒できなくなることを「概日リズム睡眠障害」(リズム障害)といいますが、「眠れない」と来院される方の多くは、実際はこのリズム障害です。とくに若い方は多いですね。思春期から青年期は、生理学的にも夜更かし型になりやすいですから。

夜更かし型

Q リズム障害の場合、どのような治療をするのでしょうか。

A まずライフスタイルを変えていただくことが大前提となります。当院では生体リズム調整を専門的に行うカウンセラーが患者さんに指導をします。

起床や就寝、食事の時間などを記録する睡眠日誌をつけて改善の方針を決め、起きたときに光照射を行う、睡眠に有効なタイミングで運動を行うなどの方法を適宜取り入れます。

Q 治療期間はどのくらいなのでしょうか。

A 個人差はありますが、リズム障害の場合数カ月はかかると考えたほうがよいでしょう。生活習慣を変えるのは時間がかかるものです。

とくに、十代から大人になるまでずっと極端な夜型で過ごしてきたなど不適切な生活を続けてきた期間が長いほど、治療も長引きます。

また、治療をしたいと思っていても、ライフスタイルを変えることに抵抗がある場合はさらに困難で、治療を途中で断念してしまうこともあります。

ただ、極端な夜型生活はどのみち長続きしません。立ちくらみや体がだるいなどの不調に悩まされたり、自律神経失調症などになる可能性も高いのです。

リズム障害を放置した結果、最終的には仕事もできなくなり会社をやめてしまった、という深刻なケースもあります。

Q 夜型社会の弊害も大きいように思いますが…。

A 24時間型社会が加速すると、リズム障害も増加しやすいでしょうね。そこに十分留意した社会づくりが必要でしょう。労働環境を整えることももちろん重要です。

ただ、個人でできることがないわけではありません。例えば、決められた時間に食事を3度きちんととることも、体内時計の調整に十分役立ちます。

朝は太陽の光をしっかり浴びた方がよいですから、通勤中に一駅前で降りてウォーキングするのもよいでしょう。また週末の夜更かしはせず、いつもより早めに寝て少しだけ寝坊すること。起きる時間が極端にずれてしまうのは体内時計が狂う原因になってしまいます。

すでに極端な夜型生活になってしまっている人は、月単位でもよいので、少しずつ起床時間を早くするなど、できる範囲で生活を変えていけばよいのではないでしょうか。

起床時間を早くする

Q 仕事などで極端な夜型生活が定着してしまっている人も多いでしょうね。

A 確かに、残業が多くて夜型になりやすい職業はあるでしょうね。ただ、朝に回してもよい仕事もあるでしょう。昔から「作家は夜中に原稿を書く」なんてよく言われていましたが、いまは朝型の作家もたくさんいますから。

体内時計には個人差がありますから、朝型ばかりを推奨するわけではありません。極端な夜型だけは避けたほうがよいということです。

難しいのは、ドライバーなど交代制勤務や変則勤務の人でしょうか。シフトの組み方で体の負担も変わってきますから、睡眠の重要性を雇用者にも労働者にもよく理解していただくことが大事だと考えています。

Q まだまだ睡眠の重要性は社会で認知されていないように思います。

A リズム障害のみならず、睡眠障害は全身の健康に影響を及ぼします。たとえば睡眠時無呼吸症候群を治療することによって高血圧が改善することは多くありますし、リズム障害に関してはうつ病との関連性が高く、リズム障害の治療をすることでずっと治らなかったうつ病が治ったというケースもあります。

全身の健康のためにも、体内時計を整え適切な睡眠をとっていただきたいですね。

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