<ドクターズインタビュー>なぜあなたは今日も眠れないのか。眠れなくなるメカニズムとは?

Interview 2015年10月05日(月)

<ドクターズインタビュー>なぜあなたは今日も眠れないのか。眠れなくなるメカニズムとは?

眠れなくなるメカニズム

ドクターズインタビューのコーナーでは、睡眠の専門家である全国のドクターに、睡眠に関する様々なお話を伺います。今回は、大阪市立大学大学院の稲葉雅章教授に、睡眠と自律神経の働きについてお伺いしました。

Q ベッドに入ったのに眠りに就くことができなくなるのはどうしてですか。

A それは交感神経が優位な状態だからです。身体には交感神経と副交感神経があり、それぞれ興奮状態とリラックス状態を作り出します。

これらは自律神経といい、シーソーのように片方が働くと片方は休むようになっています。交感神経は「昼の神経」と呼ばれています。身体を活発に活動させるときに働きます。

副交感神経は「夜の神経」とも呼ばれ、「交感神経の逆の働きをする」と考えてください。交感神経は運動時などの興奮した時に活発になるのに対して、副交感神経は身体がゆったりとしている時に強く働きます。睡眠時には副交感神経が活発になって眠れるのです。

睡眠時には副交感神経が活発

Q 交感神経が活発だと眠れなくなるメカニズムはどんなものですか。

A 交感神経が働くと、血管は縮み、心拍数は増加して、筋肉が緊張します。動物はストレスを感じると交感神経が活発になります。

これは人間も同じで、暑さや寒さなどの環境、かゆみや痛みなどの肉体的なもの、精神的な悩みなどがストレスになり交感神経優位の状態を作り出します。状況が変わってもすぐに対応できるように身体が準備をするのです。

動物がライオンに追いかけられているときにリラックスは出来ないのと同じように、人間もストレスを感じると落ち着いて眠ることが出来ないのです。

Q 交感神経優位の状態が続くと身体では何が起こりますか。

A ストレスを感じていると、臨戦態勢を脳も身体も維持します。ですので、脈拍は早く、血圧は高くなります。本来、夜や睡眠中は副交感神経優位となり、リラックスして脈拍は遅く、血圧が低くなります。

それが出来ませんから、夜間の血圧低下が起こらず、夜間高血圧になってしまいます。またそれに伴い早朝高血圧を呈することから動脈硬化が進展し、心血管イベントリスクが高まると考えられています。

心血管イベントリスクが高まる

Q 睡眠不足が続くと血管が硬くなってしまうのですね。

A そうです。さらに交感神経優位ですとリラックス出来ませんので、充分な睡眠が得られずに睡眠不足になります。睡眠不足が続くと血糖を下げるホルモンであるインスリンが分泌されても働きが悪くなります。

糖尿病のリスクが上がるのです。糖尿病は血管の老化を進め、網膜の血管から冠動脈まで悪影響を及ぼします。これがさらに交感神経優位の状態を招き、高血糖、高血圧の状態が続いてしてしまいます。

そしてそれがまた血管を硬くする悪循環に陥ってしまいます。睡眠不足自体が大きなストレスとなり、血管を硬くする要因にもなり得るわけです。

Q それは怖いですね。どのように予防したらいいですか。

A 夜間にも交感神経が活発な状態が持続することが問題です。交感神経と副交感神経はシーソーの間柄ですから、昼と夜のバランスが取れていることでお互いが効果的に作用します。

日中は交感神経優位になるよう活発に動けば、夜はゆったりと過ごして副交感神経優位のリラックスした状態を作り出せるのです。生活のメリハリが大事ということですね。

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