<ドクターズインタビュー>睡眠不足が糖尿病の引き金に?ストレスホルモンと血糖値の関連とは?

Interview 2015年09月28日(月)

<ドクターズインタビュー>睡眠不足が糖尿病の引き金に?ストレスホルモンと血糖値の関連とは?

睡眠不足が糖尿病の引き金に

ドクターズインタビューのコーナーでは、睡眠の専門家である全国のドクターに、睡眠に関する様々なお話を伺います。今回は、大阪市立大学大学院の稲葉雅章教授に、不眠と糖尿病のリスクについてお伺いしました。

Q 睡眠が充分でないと糖尿病のリスクはどの程度上がりますか。

A 糖尿病の有病率は、睡眠に問題がある場合はそうでない場合の4.8倍というデータがあります。肥満の人がそうでない人と比較して6倍といわれていますので、かなり高いといえます。

また、すでに糖尿病を発症している場合、睡眠に何らかの問題を抱えている人は血糖コントロールが難しいのです。

血糖コントロールが難しい

Q それは何故ですか。

A 睡眠不足というストレスを感じると身体は「危機的状況」にあると判断します。そうするとストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールやアドレナリンの分泌が活発になります。

これらは体内の筋肉などから糖を作り出し、血糖値を上昇させます。一時的な睡眠不足であれば充分な睡眠を取ったときに解消されます。

しかし慢性的な睡眠不足になると高血糖状態が続いてしまいます。睡眠不足はグレリンの増加やレプチンの低下を通じて肥満の原因にもなり得るので、更に糖尿病のリスクが上がってしまうのです。

Q 睡眠を長くとればいいのですか。

A そうとは言い切れません。睡眠が6時間以下のグループと9時間以上のグループでは同じくらいの糖尿病発症率であったと報告されています。

6時間以下のグループも9時間以上のグループも、徐波睡眠と呼ばれる深い睡眠を得られていないためだと考えられます。

徐波睡眠は身体の修復に必要な睡眠で、副交感神経系を活性化し、リラックス状態を作り出しますので、睡眠の質が悪ければ私たちの身体は「危機的状況」を脱したと判断できないのです。

Q 眠りは脳を休めるためだけではないのですね。

A 脳を休ませることはもちろんですが、肉体の修復とホルモン分泌、生体時計のバランス調整にも睡眠は必要なのです。

血糖値を抑えるインスリンという物質もホルモンです。睡眠の質が悪くなると、インスリン抵抗性の出現やインスリン分泌自体も損なわれます。

睡眠と血糖コントロールには相関関係があります。血糖コントロールがうまくいかない場合にも、睡眠の質が落ちてしまうのです。

睡眠の質が落ちてしまう

Q 糖尿病を予防できる睡眠のとり方はありますか。

A 睡眠は浅い睡眠と深い睡眠を繰り返します。特に最初に現れる深い睡眠が重要です。この深い睡眠を得るには毎朝決まった時間に寝起きして、日中に光を浴びて活動をし、決まった時間に食事をする生活が大事です。

シフト制の勤務で日中の活動が難しい場合でも、メリハリのきいた生活を送ることで睡眠の質は保てます。

Q 身体にリズムを作るのですね。

A そうです。人間の身体には体内時計が存在します。この体内時計は太陽の光で24時間にリセットされます。

朝に太陽の光を浴びると良いのは体内時計の調整の意味もあります。太陽の光を浴びられなくても、起きている間の活動レベルを上げるだけでも体内時計のリズムは出来上がります。

リズムが出来てくると睡眠の質が上がり、血糖コントロールも良くなります。睡眠を改善すると糖尿病リスク低下や血管障害の防止に期待が持てるということです。

【提供:武田薬品工業株式会社

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