最適な睡眠時間は人によって異なる。その理由とは? 【友野なお 快眠集中講座(第2回)】

BED 2015年09月17日(木)

最適な睡眠時間は人によって異なる。その理由とは? 【友野なお 快眠集中講座(第2回)】

最適な睡眠時間

最適な睡眠時間は人によって違う。その理由とは?

理想の睡眠時間には、大原則として「個人差がある」という事実があり、その理由はまだはっきりとは解明されていません。それを踏まえた上で「理想の睡眠時間は?」と聞かれたら、成人の場合、答えは7~8時間です。

アメリカのガン学会が30歳以上の成人100万人を対象に睡眠調査を行い、その後の6年間の死亡率を追跡調査した結果、睡眠時間が平均的な7~8時間の人の死亡率が最も低く、それより睡眠時間が長くなっても短くなっても死亡率が高くなることが分かりました。

特に4時間以下の極端に短い人や、10時間以上という極端に長い人の死亡率は平均的な睡眠時間の人の1.5~2.8倍に達すると判明したのです。

しかし、全体のわずか0.5%程度ですが、睡眠時間が5時間未満でも大丈夫な「ショートスリーパー」呼ばれる人も存在しており、彼らの場合には何らかの遺伝的要因があると考えられています。

一方、9時間以上眠らないと調子が出ない「ロングスリーパー」と呼ばれる人も存在します。

一流と言われている人ほど、たくさん寝ている

忙しい人が削る時間として、まず睡眠時間があげられますが、「1時間睡眠を削ったら、1時間余計に仕事したり遊んだりできるか」と問われたら、答えはノーだと言われています。

1時間睡眠を削ると、幸福度、生産性、健康レベル、思考能力、判断力、コミュニケーション能力などすべての能力が低下してしまうので、睡眠時間を削った分、日中の活動のパフォーマンスも落ちてしまい、本末転倒な結末につながってしまうのです。

ベストな睡眠時間には個人差があるとはいえ、「毎日6時間睡眠」を14日間続けた場合、脳に負担がかかり、注意力は2日間徹夜したときと同等まで下がるという実験結果も出ているほど。

また、睡眠不足はほろ酔い状態と同じになるともいわれ、常に7時間半の睡眠をとっている人が5時間しか寝なかった場合、翌日の作業能力は15%ダウンし、1晩徹夜すると、翌日の作業能力は普段の60%下がってしまうともいわれています。

「デキル人」ほどダラダラ仕事はせず、生産性の高いパフォーマンス力を発揮するので、夜はしっかりと睡眠時間を確保しているのです。

睡眠時間によって太りやすくなる?

睡眠時間は寿命やパフォーマンス力だけでなく、ダイエットにもダイレクトに影響を与えます。

アメリカの名門コロンビア大学の32~59歳の男女8,000名以上を対象にしたフォローアップ研究では、平均睡眠時間が7時間のグループを基準にすると、6時間で23%、5時間で50%、4時間以下だと73%も肥満になる確率が高くなる、という結果が出ました。

睡眠不足になると食欲の中枢やホルモンの分泌が乱れ、一説によると25%も食欲が増加し、1日あたり350~500kcalを余分に摂取してしまうということが推定されています。

「寝るとブタになる」と思い込んでいる人が多いですが、実はまったく逆だったのです。しっかり眠ることは肥満の予防になり、さらに生活習慣病の罹患率の引き下げにも直接的な影響を与えます。

健康増進の基本は睡眠にあり、ということをぜひ心得て、日々きちんとした睡眠時間を確保できるようなタイムスケジュールを組むよう、心掛けてくださいね。

友野なお

友野なお Nao Tomono
睡眠コンサルタント
インナービューティーアドバイザー

自身が睡眠を改善したことにより、体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。独自のメソッドに沿って就寝前の寝室、就寝中の寝具、起床後の過ごし方にこだわることで、睡眠の質が格段に上がり、体内メンテナンスができる快眠法「眠活」を考案。
順天堂大学 大学院スポーツ健康科学研究科博士前期課程に在籍。現在数多くの女性誌をはじめ、テレビ・ラジオ・講演・執筆など、幅広く多方面で睡眠のスペシャリストとして活躍中。

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