<ドクターズインタビュー>高齢者の約60パーセントが不眠!?原因は体内時計の衰えなど様々

Interview 2015年09月02日(水)

<ドクターズインタビュー>高齢者の約60パーセントが不眠!?原因は体内時計の衰えなど様々

高齢者の約60パーセントが不眠

4人に1人が高齢者である超高齢社会を迎えた日本。高齢者の中には、異常な早寝早起きや途中覚醒など、睡眠に関する悩みを抱えている人も少なくありません。高齢者に増えている睡眠の問題とその背景について、旭川医科大学医学部 精神医学講座・千葉 茂先生にお聞きしました。

旭川医科大学医学部 精神医学講座・千葉 茂先生

――睡眠に関する悩みを持っている高齢者はどれくらいいるのでしょうか。

1995年にアメリカの国立加齢医学研究所で9,000人を対象に実施された調査によれば、65歳以上の57パーセントが自覚的な睡眠障害に悩んでいます。最近、日本でも、小規模な調査ではありますが同様の結果が報告されており、高齢者では自覚的な睡眠障害が高頻度にみられると考えられます。

高齢者で最も多い睡眠障害は入眠困難と中途覚醒で、次に早朝に目が覚めてしまう早朝覚醒が多くみられます。

――眠れない、睡眠の質が悪いという悩みが多いのですね。

そうですね、自覚的な睡眠障害だけでなく、実際に夜間睡眠の脳波を測定しても不安定な波形が多く、熟睡できていないという結果が出ています。また加齢につれ、床についていても睡眠がとれていない時間が増えていることが調査で分かっています。

例えば65歳では7時間程度床についていますが、そのうち実際に寝ているのは6時間です。さらに年齢が上がると睡眠時間は減少していきますが、床についている時間はあまり変化がありません。つまり、眠れずに布団の中にいる時間が増えているわけです。

また、高齢者では、昼間にウトウトすることが多くなり、何度も短い睡眠をとるという特徴(多相性睡眠)がみられます。

――なぜ高齢者の睡眠はこのように変わってくるのでしょうか。

歳をとって疲れやすくなったり、体内時計の機能が衰えてくるなど生理的な変化もありますが、環境や心理変化なども大きいですね。仕事をリタイヤして活動量が少なくなったり、生活のメリハリがなくなって睡眠のリズムが崩れてしまう、家族が亡くなって心理的なダメージを受け眠れなくなってしまう、などのケースもあるでしょう。

個人差がとても出やすい年代です。睡眠障害はうつ病の発症などにもつながりやすいので注意が必要ですね。

睡眠障害はうつ病の発症などにもつながりやすい

――高齢になっても睡眠に問題のない人もいるのでしょうか。

以前、知人(60代男性)が、ご自身の睡眠には全く問題がないと言っていました。その方は、普段の生活の過ごし方がとてもアクティブで、スポーツにも積極的に参加しています。それが睡眠の状態をよくしているのではないかと思います。

このように、アクティブな生活はよい睡眠をもたらすわけです。高齢になってからライフスタイルが変化した人の場合には、まずご自身の生活を客観的に見直すことが重要ですね。

運動量が減ってないか、長すぎる昼寝をしていないか、眠りを妨げるカフェインやアルコールを多く摂取していないかなど、注意深くチェックしてみてください。睡眠と覚醒は表裏一体ですから、起きているときのライフスタイルを変えることが、よい睡眠をとることにつながります。

――覚醒している時間をより活動的に過ごすことが重要なんですね。

そうです。積極的に人と会ったり身体の運動をするなど、昼間の心身の活動を増やすことが大変重要です。また、睡眠障害によって、うつ病や糖尿病、高血圧、認知症などのリスクが高くなることが2000年ごろから多くのデータによって裏付けられています。逆に言えば、よい睡眠がとれれば、これらの疾患を予防できるわけです。

厚生労働省が発表した「健康づくりのための睡眠12箇条」をご参考にしていただき、よい睡眠をとってください。

関連サイト:
武田薬品工業株式会社
不眠と体内時計について考える「体内時計.jp」
眠れないのは年のせい?~高齢者にありがちな生活習慣から来る不眠の話~

【提供:武田薬品工業株式会社

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