体内時計を考慮して病気をとらえる『時間医学とは』

Medical 2015年05月27日(水)

体内時計を考慮して病気をとらえる『時間医学とは』

時間医学とは

ドクターズインタビューのコーナーでは、睡眠の専門家である全国のドクターに、睡眠に関する様々なお話を伺います。今回は、時間医学の第1人者である東京女子医科大学東医療センター・時間医学老年総合内科の大塚邦明先生に、ご専門である時間医学について教えて頂きました。

Q 大塚先生のご専門である時間医学とはどういうものですか。

時間医学とはどういうものですか

A 私は時間医学はすごく大事だと思っています。今の医学はEBM(根拠に基づく医療)なんです。EBMというのはエビデンス(根拠)を作っている場所が問題なんです。

日本人では作っていないんです。多くのデータは人口が多い中国とかロシアで作られています。8割ぐらいのEBMは海外で作られた根拠なんです。

もちろん私も診療をするときにはEBMは基本にはしますけど、それだけで医療は完璧だとは断言できないだろうと思っています。とくに日本人に当てはまるとはいい切れないでしょう。

それが私の考え方なんです。地域によって医療の在り方が異なるのと同じように、時間によっても治療の仕方は変わるだろうと考えています。それが時間医学が大事だと考える根拠です。

体内時計に合わせた医療という考え方は、これから広まっていくだろうと思います。

Q 将来的には、今の医療は変わっていくということでしょうか?

今の医療は変わっていく

A 地域によって治療の仕方が変わるはずだという考え方は、フィールド医学と呼ばれています。その患者さんがどういうふうに暮らしており、どんな仲間や家族がいてどんなものを食べ、日常生活の上でどんな医学的課題を抱えているのか。

フィールド医学は、疾病、老化のありさまを自然環境、文化背景などとの関連を考慮してとらえようとする医学です。時間医学とは、体内時計を考慮して病気をとらえ、体内時計を応用して治療していこうとする医学です。

これからの医学は、フィールド医学と時間医学を軸にして進歩していくと思います。

体内時計が乱れると病気になることが分かってきましたよね。ヒトでもだいぶん証明されてきました。肝臓の時計が狂っていると肝臓の病気になる。心臓の時計が狂っていると心臓の病気になる。

ならば、自分の肝臓や心臓がいま何時を指しているか知りたいじゃないですか。生活時刻とそれぞれの臓器の体内時計の時刻が合っているかどうか知りたいじゃないですか。そうしないと時間医学の応用が必ずしも完璧ではない。

Q 身体のあらゆる臓器の体内時計がいま何時を指しているか、もう分かるんですか。

体内時計がいま何時を指しているか

A 体内時計の時刻を知る方法があります。採血をして、血液中の肝臓由来の細胞、心臓由来の細胞、脳由来の細胞などを分ける。そうすると今何時かという、だいたい1時間前後ぐらいの誤差で読めるんです。

それが臨床の現場で利用される日も遠くはないだろうと思っています。この採血による体内時計を知る技術は、理化学研究所生命システム研究センターの上田泰己先生たちの研究グループによって、2年くらい前に発表されました。

その論文を発表するまでに上田先生はおよそ8年かかっています。こうした体内時計の時刻を調べることが、日本中の診療施設で可能になってくれば、本当の意味のテーラーメイド医療が、時間医学の視点から実現できる日も、そう遠くはないであろうと思います。

第1回 体内時計の発見は1972年。体内時計発見の経緯と時計遺伝子
第2回 私達の心と身体の健康を支える“3つの時計”とは
第3回 なぜ体内時計が乱れると不眠が起こるのか
第4回 体内時計の乱れによる不眠と身体への影響
第5回 体内時計の乱れを防ぐ、朝の過ごし方とは
第6回 夜型の人は、朝型に変われるのか?
第8回 体内時計を知ると、医療と生活が変わる?

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【提供:武田薬品工業株式会社

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