<ドクターズインタビュー>体内時計を整える食事とは?

Medical 2015年03月27日(金)

<ドクターズインタビュー>体内時計を整える食事とは?

<ドクターズインタビュー>体内時計を整える食事とは?

ドクターズインタビューのコーナーでは、睡眠や体内時計の専門家に様々なお話を伺います。今回は、体内時計の専門家で、時間栄養学の第一人者である早稲田大学 先進理工学部 生理薬理学研究室 教授の柴田重信先生に、体内時計を整えるために必要な栄養素と最適な食事の時間について教えて頂きました。

体内時計の調整に最も効果的なのは・・・

Q 体内時計を調整には、何が最も効果的なのでしょうか。

A 私たちの研究グループでは、薬品や、生薬や漢方薬から三大栄養素に至るまで、いろいろと研究を重ねました。その結果、最も効果的なのは食事だということが分かりました。食事のタイミングと、摂取するべき栄養素を整えると、体内時計の乱れは整えられます。私たちの研究グループでも、いまは食事の研究がメインになっています。

乳酸菌は昼と夜で変化する?

柴田重信先生

Q 研究の内容を詳しく教えてください。

A 様々な研究をしてきましたが、興味深いのは、体内時計と腸内細菌の関連でしょうか。乳酸菌とひとくくりに呼びますが、その種類はたくさんあります。Lカゼイ菌とか、ラクティス乳酸菌とか、ビフィズス菌とか、L29乳酸菌とか、コッカス菌とか、まだまだあります。

例えば、色々とある種類の乳酸菌でも、どのパターンが朝から昼にかけて多いか、夕方になると増える乳酸菌があるかということを研究しています。つまり体内時計の時刻によって、増やしておくべき乳酸菌の種類が変わってくるということです。

乳酸菌は、単純に腸内環境を整えて、便秘にならないようにしたり、下痢をしないようにしたり、という単純な働きだけではなくて、免疫系を整えて、ガンを防いでくれたり、血中コレステロールを減少させてくれたり、アトピー疾患を改善してくれたり、花粉症などのアレルギー疾患を改善してくれたり、肌荒れを整えてくれたり、身体にたくさんの好影響をもたらしてくれます。

Q 「プロバイオティクス」と言われているものが、いい影響をもたらしてくれるのでしょうか。

A そうです。1989年にイギリスのフラー博士によって「プロバイオティクス」が提唱されました。「プロバイオティクス」とは、身体によい作用をもたらす生きた微生物のことです。

腸内細菌は、グループごとにまとまって生息しています。その様子がまるで花畑のように見えることから、腸内フローラと呼ばれています。体内時計は、この腸内フローラの種類が時間帯ごとに異なるように調整していると考えられます。そして時間帯ごとに、身体に働きかける健康維持の役割も刻々と変化しているのだといえます。

乳酸菌を含む食品はたくさんありますが、誰もが思いつくのは、ヨーグルトや乳酸菌飲料でしょう。そうした食品をいつ摂取したら、身体に良い効果が高まるのかなどは、私たちの研究のテーマになります。

体内時計が時間ごとの乳酸菌の変化に影響

Q 体内時計が乱れると、腸内細菌のバランスはどのように崩れるのでしょうか。

A 2014年に興味ある研究成果が発表されました。徹夜などをして体内時計が乱れてしまうと、太るように身体のメカニズムが変化してしまいます。2日間の徹夜をさせた人の排泄物には、もちろん乳酸菌が含まれているわけですよ。そこから細菌叢(細菌の集団)だけを取り出します。

その細菌叢を実験用のネズミに食べさせる。するとそのネズミは太るんです。つまり、2日間の徹夜をした人の腸内フローラは、肥満を促進するように変化してしまっているということです。

体内時計を整えるのに最も効果的な食事は?

柴田重信先生

Q 体内時計を整える栄養素とは、どのようなものですか。

A 2009年に発表した論文では、昔から食べられ続けてきた伝統的な日本食が、体内時計を調節する力が最も強いという結論が出ました。正直なところ、ガッカリもしたんですよ。労力と時間をかけて、栄養素の実験を繰り返したわけですからね。

「ミネラルを抜いたら、どうなるだろう」「ビタミンを抜いたらどうなるだろう」「脂肪を抜いたらどうなるだろう」と食事から、特定の栄養素を外していって、体内時計を調べたんです。そうしたら、結論は「普通の日本食の朝食や昼食が一番良い」だった。何だ、せっかく実験を繰り返したのに、普通の食事が最も体内時計を調える力があったのか、とガッカリはしましたが、伝統的な朝食の力が、私たちの研究によって、立証されました。

Q 柴田先生がおっしゃる普通の食事は、具体的にはどんなメニューですか。

A 日本食なら、旅館の朝ご飯です。具体的には、ご飯に納豆とか、ご飯に焼き魚とか、それに味噌汁がついて、漬け物や、小松菜やほうれん草などのおひたし。加えるなら海苔か卵程度のいたってシンプルな朝食です。これが体内時計を正常にリセットする力が最も強いという結論でした。

おにぎり1個だけというのは良くありません。炭水化物とタンパク質は、きちんと摂っていただきたいです。タンパク質にも体内時計を動かす力があります。洋食の例を挙げるなら、パンと牛乳とか、パンと卵とか、それに野菜サラダが加われば良いでしょう。

特別な栄養素が必要というわけではないんです。いたってシンプルで、昔から習慣的に食べられてきた朝食が体内時計を調えるのには、最も効果が高いんです。また、こうしたシンプルな朝食が健康長寿にも、もっとも効果的なんです。

Q 体内時計に良くない栄養素はありますか。

A 良くないというよりも、体内時計を調節する力がない栄養素があるという結論が出ました。ビタミンも、ミネラルも、油分にも体内時計を正常にリセットする力はありませんでした。ただし、これは体内時計の調節という観点からの結論であって、健康な身体を維持するためには、ビタミンも、ミネラルも、油分も摂取しなければなりません。

朝食が体内時計を整える

柴田重信先生

Q 栄養素だけではなく、食べる時刻も大切なのでしょうか。

A はい。起床したら、必ず朝食を食べることです。これで体内時計は正常にリセットされます。朝食をしっかりと食べると、昼食や夕食をたくさん食べる必要はなくなります。なかでも夕食で摂取するカロリー量が減ることになります。

夕食よりも朝食をしっかりと食べることが、体内時計を正常にリセットして肥満にならない生活を送るコツです。夕食をたくさん食べているという人は、そのウエイトを朝食に置くように変えると、体内時計が整って、太らない、健康な生活を送れるようになります。

Photo by Michael Korcuska

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【提供:武田薬品工業株式会社

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