<ドクターズインタビュー>よい眠りのために、いつ運動すべきか

Medical 2015年03月25日(水)

<ドクターズインタビュー>よい眠りのために、いつ運動すべきか

<ドクターズインタビュー>よい眠りのために、いつ運動すべきか

ドクターズインタビューのコーナーでは、睡眠や体内時計の専門家に様々なお話を伺います。今回は、体内時計の専門家で、時間栄養学の第一人者である早稲田大学 先進理工学部 生理薬理学研究室 教授の柴田重信先生に、体内時計と運動の関連について教えて頂きました。

運動は睡眠に影響する?

柴田重信先生

Q スムーズに眠りにつくためには、運動が効果があるのでしょうか。

A 運動は、健康を維持するためには必要でしょう。日中に活発に活動して、肉体を疲労させておいて、寝つきを良くする効果がありますから、睡眠にもメリットはあります。しかし、気を付けたいのは運動をする時刻です。夜に運動をすると体内時計が夜型にシフトしてしまいます。

Q 運動をすると体内時計が朝型になったり、夜型になったりするということですか。

A いいえ、ストレスが少ない運動そのものには体内時計を調節する効果はないというのが、私たちの研究グループでの結論です。朝の運動によって、体内時計が朝型化することはないんです。しかし興味深いことには、普通寝る時間の夜遅い時間に運動をすると、体内時計の夜型化は助長されてしまいます。

運動が直接に体内時計の針を合わせることはないですが、夜型に向かわせることは起きるということです。よく夜中の10時頃に、ランニングしていたり、自転車に乗っていたりする人を見かけますね。夜の遅い時刻に運動をすると、かえって寝つきが悪くなるんですよ。

睡眠に最適な運動の時間とは?

柴田重信先生

Q では、良い睡眠のために運動をするとしたら、何時頃にしたら良いのでしょうか。

A 日中から夕刻までが運動するのに好ましい時間でしょう。考えてみれば当たり前のことで、電灯の明かりがなかった時代には、夜中に運動をすることはなかったわけです。長い人類の歴史を振り返ってみても、人間は太陽の光がある時間帯に活発に活動をしてきたわけです。

体内時計は、太陽の光の運行に、私たちの身体の働きが一致するようにときを刻んでいます。ですから、不自然な時刻に運動をしてはいけないということですね。肉体を疲れさせれば寝つきが良くなるだろうと考えて、眠る直前になってから運動をするのは、逆効果だということです。日中の運動は、健康維持の観点からもお勧めですし、その日の寝つきも良くします。

Q 昼間は昼間らしいことをして、夜には夜を過ごすのにふさわしいことをするのが良いということですね。

A そうです。朝に食事を摂り、昼にも食事を摂る。夕食後の深夜食などは食べないようにする。電灯の明かりが発明された130年前より以前には、夜の照明といえは炎の明かりしかなかったわけで、本来であれば、夜にも煌々と明るい環境で過ごすのは、体内時計に負荷をかけているだけで、とても不自然なことなのです。

夜中に運動をするのも、まったく同じ理由で、不自然なことなのです。街路灯の明かりが夜中の町や道を照らすから、ついつい運動をしてしまうのでしょうが、体内時計を不調にしてしまう原因となります。

メラトニンを抑制する光の明るさはどのくらい?

Q 夜に光を浴びると、睡眠を司るホルモンであるメラトニンの分泌を抑制すると伺いましたが、どのくらいの明るさで抑制されてしまうのでしょうか。

A かつては2,500ルクス程度の明るさでメラトニンが抑制されるといわれていました。最新の研究では300ルクス程度でも抑制されることが分かっています。明かりの積分値でメラトニンは抑制されます。つまり300ルクス以下でも、1時間程度の明かりを浴び続けるとメラトニンは抑制されてしまうということです。

日中の窓際が2,000ルクスあります。コンビニの店内は1,000ルクスを超えます。蛍光灯の室内照明は500ルクス程度です。300ルクスはけっこう暗い照明だということがお分かりいただけると思います。ろうそくの明かりが10ルクスで、月明かりは1ルクスです。

電灯の明かりに夜になっても照らされ続けることが、いかにメラトニンを抑制してしまうことを招くのかに関心を持っていただきたいですね。

体内時計を整えるには、適切な時間の運動と食事

柴田重信先生

Q 運動も、食事も、光を浴びるのも、適切な時間帯にした方が良いということですね。

A そうです。電灯の明かりが進化した現代では、昼と夜の区別がつきにくくなってしまったのだと思います。夜でも明るいですから、現代人はついつい夜にも昼間と同じような感覚で活動をしてしまう。

しかし体内時計は、昼間と夜との区別をつけようとしてリズムを刻んで、活動期と睡眠期のメリハリをつけようとする。現代人の活動感覚のズレが、そのまま体内時計のズレを引き起こしてしまうのです。生活習慣を少しだけ見直して工夫することで、体内時計は整えられることを理解して頂きたいと思います。

Photo by Simon Carr

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【提供:武田薬品工業株式会社

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