<ドクターズインタビュー>体内時計がズレやすい高齢者のための対策

Medical 2015年03月18日(水)

<ドクターズインタビュー>体内時計がズレやすい高齢者のための対策

<ドクターズインタビュー>体内時計がズレやすい高齢者のための対策

ドクターズインタビューのコーナーでは、睡眠や体内時計の専門家に様々なお話を伺います。今回は、体内時計の専門家で、時間栄養学の第一人者である早稲田大学 先進理工学部 生理薬理学研究室 教授の柴田重信先生に、体内時計を整える方法について教えて頂きました。

高齢者の体内時計は、どうなっているのか

柴田重信先生

Q 高齢者は体内時計が乱れやすいと聞きました。

A 体内時計には「活動する」「休息する」というリズムを刻ませるという機能があります。それぞれの臓器や、細胞に体内時計があり、朝、昼、夕、夜を認識して、それぞれの臓器を動かしています。

高齢者になると、そうした体内時計の時刻を刻むリズム能力が弱くなってきます。そうすると、身体を健康に保つ酵素やホルモン等の分泌も乱れてしまい、身体に不調が起こりやすくなります。

高齢者が体内時計を整えるには?

Q 高齢の方はどのように対処すればよいのでしょうか。

A 昼は昼らしく、夜は夜らしく過ごすことです。規則正しい生活を送ることで、体内時計も整っていきます。具体的には、朝は目覚めたら、カーテンを開けて外光を浴びることから始まります。

外光の明るい光が目から脳の視交叉上核に届くと、眠気がなくなり、シャキッと活動できるようになります。これは脳内にあるメラトニンという睡眠ホルモンが光の刺激によって消失するからです。

昼間は、部屋に閉じこもってテレビをのんびりと眺めているよりも、思い切って外に出ることです。激しい運動はできなくても、自宅の近所を散歩してみるだけでも、かなり生活にメリハリが作れます。

朝から午後の3時前くらいまでの間なら、散歩の途中でコーヒーショップでコーヒーなどを飲むのも悪くないでしょう。コーヒーは脳を活性化しますし、心拍数を上げます。

夜は眠くもないのに、やることがないからといって布団に入ってダラダラと過ごすのは、とても良くないことです。眠くなるまでは意識して起きていることをお勧めします。眠くて仕方がないなという身体と心の状態になったら、それから布団に入るのが良いでしょう。それが生活にメリハリを与えて、結果的には体内時計を正常な状態に近づけます。

食事が体内時計に影響を与える?

柴田重信先生

Q 食事も体内時計を整えるのに役立ちますか。

A そうですね。朝食を摂ることがとても重要です。エネルギーを補給すると活動しやすくなりますから、散歩に出かけるエネルギー源になります。散歩程度の運動をして身体を動かすと、自然にお腹が減りますから、昼食もおいしく食べられるようになります。

朝食、昼食、夕食と、規則正しく食事を摂ることで、体内時計の乱れが起きにくくなります。適切な時刻に食事を摂ることは、高齢者はもちろん、若い人たちにとっても体内時計を整えるために大事なことです。

70歳を過ぎたら、体内時計の乱れに注意!

Q 何歳ぐらいから体内時計の乱れに気をつけたらよいでしょうか。

A 個人差はありますが、70歳を過ぎたあたりから睡眠時間は若い頃よりも短くなります。75歳では、睡眠が明らかに短くなります。75歳を過ぎたら、誰でも体内時計の乱れには注意が必要になりますね。

夜になってから分泌されるメラトニンの量が明らかに減ってきますので、寝つきが悪くなり、睡眠が浅くなり、メリハリのある生活を送るのが自然と難しくなります。

若い時代は意識しなくてもできていたメリハリある生活が、かなり意識しないと送れなくなります。定年退職をするとか、仕事から引退するとかというきっかけもありますが、体内時計そのものが不調をきたすようになることが、メリハリのある生活から高齢者を遠ざけます。

ぜひ意識して生活にメリハリをつけていただきたいですね。また高齢者の家族の人は、高齢者本人が「夜に眠れない」「昼間にボーッとする」といった、メリハリの無い生活に陥っていないかどうかをよく観察して、支援してあげて下さい。

夜の光がメラトニンの分泌を妨げる

柴田重信先生

Q 朝起きたら光を浴びる、食事を大切にする、昼間に運動を心がける。それ以外にアドバイスはありますか。

A 高齢者に限ったことではありませんが、夜に強い光を浴びないようにしていただきたいですね。高齢者の場合、やることがないからテレビをつけっぱなしにしてダラダラと見続けるというケースが多くあります。就寝する直前までダラダラと見続けるのは体内時計にとって良くありません。

光の刺激で、脳内にメラトニンが分泌されるのを妨げてしまいますから、寝つきが悪く、熟睡ができなくなります。最近、普及したLED照明の光も、夜に浴び続けるのは良くありません。LEDの光は目には白い光として見えますが、実は一般的には青色の波長が強い光なので、夜に浴び続けると、やはりメラトニンの分泌量を減らしてしまいます。

夜は、照明の照度を落として、暗めの部屋にして過ごすと良いです。また常夜灯のような暖色系の明かりで過ごすのも良いでしょう。廊下やトイレの照明が明るすぎないようにすることも大切です。生活環境を整えて、とくに光の環境を整えて、体内時計に悪影響を与えない工夫が必要でしょう。

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Photo by cat’s_101

【提供:武田薬品工業株式会社

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