<ドクターズインタビュー>「朝型」「夜型」を決めるのは遺伝子!?育った環境!?

Medical 2014年12月28日(日)

<ドクターズインタビュー>「朝型」「夜型」を決めるのは遺伝子!?育った環境!?

「朝型」「夜型」を決める

内村 直尚(うちむら なおひさ)先生
久留米大学医学部 神経精神科医学講座 教授

ドクターズインタビューのコーナーでは、睡眠の専門家である全国のドクターに、睡眠に関する様々なお話を伺います。今回は、久留米大学医学部神経精神科医学講座教授の内村直尚先生に、不眠の原因と治療法について教えて頂きました。

内村 直尚(うちむら なおひさ)先生

「朝型」と「夜型」は存在する

Q 朝に活動的な朝型と、夜に活動レベルが上がる夜型の人がいると聞きます。

A 朝型と夜型は、遺伝子で決まるといわれています。朝型の親から生まれた人は朝型になりやすく、夜型の親から生まれた人は夜型になりやすい。それから、育った環境で朝型になる人と、夜型になる人がいます。つまり遺伝子という因子の他に、環境因子が影響しているということですね。

「朝型」と「夜型」が決まるのは、小学校入学前!?

Q 環境的な因子が影響するのは何歳くらいのときですか。

A 赤ん坊の頃からです。生まれてすぐの離乳食の頃から小学校に入学する頃まで、親が夜間にも連れ回していたら、その子どもは夜型になります。

Q いま夜型の子どもは多いですよね。

A 多いです。3歳児の平均就寝時刻は午後10時です。世界でそんなに夜型の育児をしている国は日本くらいです。子どもは親の犠牲になっているといえます。いくら朝型の遺伝子を持って生まれてきたとしても、夜型の生活につきあわされていれば、夜型になってしまいます。

「夜型」の子は、肥満になる!?

Q 学校も会社も、朝から始業しますから、夜型の人にとってはつらいですね。

A 学校などは午前8時から始まりますから、朝から活発に活動できる朝型でないと、社会生活になじめません。それだけではないんです。

夜型だと、就寝時刻が遅くて、朝には学校に行かなければならず、睡眠時間が短くなります。そうすると、成長ホルモンが充分に分泌されない睡眠になりますから、成長は止まってしまう。さらに肥満にもなってしまう。

ストレスが睡眠中に解消されないことで、子どものうちから、心の病気になってしまう。そうした心身のトラブルを抱えたまま、社会人になっていく。不幸なことです。

昼寝導入で未来の子ども達の睡眠を守る!

Q 遺伝子レベルでは朝型だったかもしれないのに、親の育児によって夜型にされてしまう可能性があるわけですね。

A 福岡県立明善高等学校では、昼寝を導入して、日中の活動を活発にして、夜の寝つきを良くする取り組みをしています。

私が高校生たちに話すのは、「あなた方は、すでに夜型になってしまっている人もいるかもしれないけれど、あなた方が親になったときには、我が子を夜型にしてしまわないようにしっかりと育児をしていください」ということなんです。

いかに朝型の生活ができることが人生にとって幸せなことかを伝えていきたいです。

「朝型」で、幸せな人生を

Q それでも夜型の人にとっての生活の仕方はないものでしょうか。

A 本来的に夜型の人の理想的な生き方は、出勤時刻を遅らせることなんでしょうね。そういう勤務ができれば、活発に活動できる午後から夜にかけて効率的な仕事ができるでしょう。

フレックスタイムを導入している企業もありますよね。あるいは在宅勤務で、午後から仕事に取りかかる人もいるでしょう。しかしですね、果たしてそれが日本の社会全体にとって良いことかどうかは別です。

夜型を認めるような社会になると、生活全般が乱れてくる可能性があるでしょう。ますます環境因子で、夜型になってしまう子どもが増えてしまう。睡眠による成長ホルモンが分泌されず、肥満で成人病にかかりやすく、精神的な病気にもかかりやすい子どもから、そのまま大人になってしまう。

Q やはり朝型人間になる方が理想的なんでしょうか。

A メラトニンリズムの観点からも、朝型が人間にとって自然だと思います。朝に外光を浴びることで目覚めて、セロトニンを増やして日中に活発に活動する。そして夜の暗さを感じることで、睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されて、夜に充実した睡眠をとる。

学校も会社も朝から始業するのが社会です。農業などは、朝から農作業を始めないと、自然の法則にのっとって農作物を作ることができません。こうして考えると、朝型の生活をすることが幸福な人生を送ることにつながると思います。

Q そのためには、赤ん坊の頃からの早寝の習慣が大切なんですね。

A そうです。日本のお母さんたちは、長い時間にわたってスキンシップをとることが我が子にとって大切だと思い込んでいるのかもしれませんが、自分たちの生活サイクルに我が子をつきあわせるのではなく、赤ん坊の頃から学校生活を始める頃までに、早寝早起きの習慣をつけてあげることのほうが、我が子を幸せにする育児の仕方なのだということを考えていただきたいと思います。

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