<ドクターズインタビュー>なぜ昼寝で成績は上がるのか?

Medical 2014年12月27日(土)

<ドクターズインタビュー>なぜ昼寝で成績は上がるのか?

昼寝で成績は上がる

内村 直尚(うちむら なおひさ)先生
久留米大学医学部 神経精神科医学講座 教授

ドクターズインタビューのコーナーでは、睡眠の専門家である全国のドクターに、睡眠に関する様々なお話を伺います。今回は、昼寝推奨の第一人者である久留米大学医学部 神経精神科医学講座 教授の内村 直尚先生に、福岡県立明善高等学校での昼寝の導入後の効果について教えて頂きました。

内村 直尚(うちむら なおひさ)先生

昼寝導入で記憶を定着させ、センター試験の成績アップ!

Q 福岡県立明善高等学校が昼寝を導入してから、偏差値が上がったと伺いました。

A 明善高校では客観的なデータを集計しています。センター試験の成績が、昼寝を始めてから、前後3年間で比較すると上昇しています。保健室の利用が減っています。ケガの件数も減っています。

生徒たちの自覚をアンケート調査したところ、「夜にぐっすりと眠れる」「寝つきが良くなった」「朝にすっきりと起床できる」などが挙げられています。

睡眠が記憶を定着させる

Q それらが昼寝とどのように関係しているのでしょうか。

A 昼寝の理想的な時間は10分です。浅い眠りです。1時間も眠ると、深い睡眠が現れてしまい、かえって逆効果になります。睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠に大別され、入眠するとまずノンレム睡眠が出現します。

ノンレム睡眠は4段階に分けられ、しだいに深い睡眠へと移行していきますが、10分程度の昼寝は、このノンレム睡眠の1段階から2段階あたりです。

Q その浅いノンレム睡眠のときに何が起きるのですか。

A 睡眠時には,記憶が定着されます。具体的には、「いつ、どこで何があったか」を記憶します。また、既に記憶したことと新しい記憶とを関連づけ、学習したことや、仕事での体験などが、次に記憶を思い出さなければならないときに、スムーズに思い出せるようにします。記憶の索引ができるわけです。

昼寝で反射神経が良くなる!

Q ケガの件数が減ったことも昼寝の効果ですか。

A 昼寝をしてから目覚めると、活動の効率が挙がります。急な危険にさらされても、反応を素早くできるように脳の指令が、すみやかに身体に伝えられるようになります。

反射神経が良くなるといいますか、つまりケガをしそうな状況に置かれたときにパッと対処できるようになるわけです。これは社会人にも、応用できます。仕事で急な対応を迫られたときに、脳は効率よく働いて、適切な行動をとることができるようになります。

Q それが明善高校では保健室の利用が減ったことにもつながるわけですね。

A 保健室を訪れるのは、ケガをした場合だけではありません。内科の利用も減っています。つまり心身不調を訴える生徒が減ったということです。また精神的な悩みで保健室を訪れる生徒も減っています。心の健康相談の件数が減っているのです。

ストレス軽減効果も!?

Q 心の健康相談の件数が減ったのも、昼寝の効果なのでしょうか。

A 明善高校が昼寝を導入したのは平成17年からです。それまでは精神的な不調を訴える生徒が平成16年度で約80件、17年度には約90件近くありました。

しかし昼寝を導入した翌年の平成18年度には約40件、平成19年度も40件を下回るようになりました。昼寝をすることによって、夜の睡眠の質が向上して、ストレスを睡眠中に解消できるようになり、日中の精神の安定につながっていると推測しています。精神的ストレスが引き金になって、体調不良を起こす生徒も減ったと考えられます。

Q 昼寝は、その日の夜の睡眠の質も向上させるのですね。

A 日中は活発に活動し、夜には質の良い睡眠をとる。つまりメリハリのある生活を送ることが大切です。日中の眠気を10分程度の昼寝で解消することで、昼寝から起きたときには、より活発に活動できるようになります。したがって、夜には熟睡できるようになります。ぜひ、昼寝の習慣を生活の中に取り入れて実感していただきたいですね。

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