睡眠は脳の休息時間。脳の温度が下がると眠くなる!?

Medical 2014年10月24日(金)

睡眠は脳の休息時間。脳の温度が下がると眠くなる!?

あくびをする猫

人間をはじめとして、多くの生き物はなぜ眠るのか。睡眠は体温と関係しています。

睡眠は大脳の休息のため

数億年前の地球には植物が繁殖し、それを餌とする動物が繁殖しました。動物の進化は続き、恒温動物が出現します。それまで繁栄してきた変温動物である、魚類、両生類、は虫類と異なり、エネルギーを燃やし続けることで体温を一定に保てるのが恒温動物です。

恒温動物のなかでもほ乳類は、大脳を発達させました。大脳の発達により、環境に適応して情報を処理し、身体を効率的に動かし、捕食から逃れるすべも獲得しました。

しかし、大脳の発達は恒温動物としての限界を超え、大量の食物摂取でも追いつかないほどのエネルギーを消費します。身体が供給するエネルギー量では、長時間の活動が不可能になったわけです。

大脳を効率的に働かせるために、休息を管理する技術が必要になりました。これが睡眠です。身体が休息する時間帯に、大脳も沈静化させて、休息させ、回復させ、必要なときに高レベルの覚醒を保つ。

睡眠の意義は、大脳と肉体を強制的に休ませることで、起きたときに、高レベルの活動ができるように仕組まれていることにあります。なかでも、大脳を飛躍的に発達させたのが人類でした。

大脳によって、文明まで築き上げた人類にとっては、身体の休息と同時に脳の休息も絶対に欠かすことのできないメカニズムなのです。

脳の温度を下げて休息させる

1999年に、人間は手先や足先から熱を逃がす身体のシステムが作動すると、体内の温度だけではなく、脳の温度も下がり始め、だんだんと眠くなる機能を備えていることが明らかにされました。

熱を逃がして、脳の温度を下げ、脳を休息させるのです。外気温が低温になると、活動できなくなる変温動物と同じメカニズムを1日というサイクルの中で実現しているのが、体内温度と脳の温度の下降だといえます。

身体の熱を逃がすときに重要な働きをしているのが、手の甲、足の甲、太ももの内側などの部位です。こうした部位はラジエーターの働きをしていると考えられます。

体温が上昇したままだと眠れない

徹夜をして昼間に眠ろうとしても、なかなか眠れないのは、昼間なので体温が上昇したままだからです。また、昼間の明るさのもとでは、メラトニンも分泌されないので眠りにつくことは難しくなります。

冷え性で、手や足が冷たくなる人は、熱を手足から逃がしにくいために、不眠症になりやすいことも分かってきました。

入眠を促すために、ぬるめの入浴などで、一時的に手足を温め、手足から熱を放出しやすい環境を整えましょう。

参考文献
『睡眠のはなし – 快眠のためのヒント 』
日本大学医学部付属病院精神科教授/内山真著 中央公論新社

Photo by splityarn

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