良質な睡眠をもたらす「メラトニン」はいかに生成されるか

Medical 2014年10月17日(金)

良質な睡眠をもたらす「メラトニン」はいかに生成されるか

和食

メラトニンの分泌を促すためには、規則正しい生活が必要不可欠です。メラトニンは1958年にアメリカの皮膚科医、アーロン・ラナー博士によって発見されました。

メラトニンの原料はトリプトファンというアミノ酸で、肉類や魚類、豆類や乳製品に多く含まれています。トリプトファンは、すぐにメラトニンに変わるわけではありません。

まずトリプトファンを原料にして、セロトニンという物質が作られます。このセロトニンはNアセチルセロトニンに変化し、その後メラトニンへと変化します。

日中の活動を支えるセロトニン

日中に仕事や勉強に集中できなくて、机をトントンと叩いたり、筆記具をいじり回したり、あるいはなめている飴をなめ続けることができなくて、ガリガリとかみ砕いてしまったりすることはないでしょうか。

その落ち着きのなさ、イライラ感は、セロトニンの不足によるものかも知れません。セロトニンは、落ち着きをもたらすホルモンで、なおかつ日中の活動を活発に行えるように働きます。

セロトニンは、脳の興奮をおだやかに抑えて、突発的な行動にも対応できるように脳と身体を保ち、行動をしなやかにする役割を持っていると考えられます。

セロトニンが夜になるとメラトニンに変化

日中に、落ち着いた気持ちで活動できるように働いたセロトニンは、N-アセチルセロトニンへと変化した後に、夜にはメラトニンへと変化していきます。

セロトニンが足りないと、メラトニンも充分に作られないことになります。メラトニンは、朝の光を浴びてから14時間~16時間で脳の松果体という部分から分泌が始まり、眠気が出現します。

メラトニンは光を感知すると減少してしまうため、夜に強い光を浴びると眠りを妨げることになります。眠った翌朝に外光を浴びると、メラトニンは消失し眠気が消えて、脳と身体は活動的に働き始めます。

睡眠不足がトリプトファンの取り込みを妨げる

メラトニンの原料となるトリプトファンは、そのままでは脳内に取り込まれません。トリプトファンはアルブミンという物質と結合しています。

インスリンという物質が、トリプトファンとアルブミンと切り離すことによって、初めてトリプトファンは脳内に取り込まれます。睡眠が不足すると、このインスリンの分泌量が減ってしまいます。

よって、トリプトファンが脳内に取り込まれなくなり、メラトニンが分泌されなくなります。

睡眠を司るメラトニンの分泌は、良く眠り、しっかりとバランスのとれた食事をとることで、保たれます。

参考文献
『朝昼夕3つのことを心がければOK!あなたの人生を変える睡眠の法則』
作業療法士/菅原洋平著 自由国民社
『睡眠のはなし – 快眠のためのヒント 』
日本大学医学部付属病院精神科教授/内山真著 中央公論新社

Photo by Yuichi Sakuraba

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