最も強力な睡眠誘発作用をもたらすプロスタグランジンD2とは?

Medical 2014年10月15日(水)

最も強力な睡眠誘発作用をもたらすプロスタグランジンD2とは?

犬と女性

睡眠に関する研究は日々進んでいます。今後もますます各種多様な研究が進められていくことでしょう。今回は100年前に行われたという、ヒトではなく犬を対象とした睡眠物質に関する、ある研究をご紹介したいと思います。

睡眠誘発物質とは?

人はなぜ眠くなるのでしょうか。それは睡眠を誘発する睡眠物質が存在するからであり、この物質が発見されたのは約100年前と言われています。

最初にこの物質が発見されたのはヒトではなく犬でした。石森國臣博士という研究者が断眠の状態においた犬の脳の抽出物を別の正常な状態の犬に注射する、という実験を行いました。すると、正常な犬は十分な睡眠をとっていたにもかかわらず寝てしまったのです。

このことから、博士は脳内に睡眠を誘発する物質が含まれているのではないかという仮説をたて、論文を発表しました。そこからヒトの研究へと進んでいったというわけですね。

約30種類もある睡眠物質

その後、研究は進み、現在では脳だけでなく、血液や尿などから約30種類の睡眠物質が発見されています。そのなかでも、早石修博士という研究者が発見した睡眠誘発物質「プロスタグランジンD2(PGD2)」は強力な睡眠誘発作用を有すると言われています。

このPGD2が脳脊髄液に溜まると、アデノシンと呼ばれる第2の睡眠物質が睡眠中枢を刺激することで睡眠を誘発するということがわかっています。

一方で、プロスタグランジンE2(PGE2)と呼ばれる同じプロスタグランジンの物質は逆の作用=覚醒の働きをすることで睡眠と覚醒のバランスをとっている、ということも判明したそうです。

がん細胞と睡眠物質が関係している!?

このPGD2は、がん細胞の成長を抑制する効果があるとも言われています。PGD2の働きを強めることができるようになれば、新たな治療法にもなりうると考えられているとか。

そのために必要なことは睡眠誘発作用をもつPGD2をたくさん出すこと。つまり、質の良い睡眠をたくさんとることで睡眠物質もたくさん出て、免疫効果も高まるということですね。

これからますます、睡眠とがん細胞など、病気との関連性が最新の研究によって解き明かされていくと思うと楽しみですね!

私たちは病気を防ぐためにも、日々、快適に眠って健康的な生活を送るように心がけましょう!

Photo by John Tyler

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

体内時計クイズ ~あなたはどのくらい知っている?~

寝酒はなぜよくないのでしょうか?

9月3日は「睡眠の日」 50台から考える!良質な睡眠が導くイキイキ生活
ネムジム食堂