不眠とギネスの不思議な関係…不眠記録がギネス認定されないのはなぜ?

Health & Beauty 2014年07月23日(水)

不眠とギネスの不思議な関係…不眠記録がギネス認定されないのはなぜ?

不眠のギネス記録

長生きのネコやホットドッグの長さ、音楽のセールスにサッカーのゴールの数……さまざまな「世界一」を収集し、認定しているギネス記録。その中には、「何時間○○できるか?」といった挑戦をするものもあります。では、私たちに身近な、睡眠に関する記録についてはどうでしょうか?

不眠最長記録はなんと11日!だが、ギネスは……

ちょっと笑ってしまうような面白いものから、本当に感心してしまうようなすごいものまで、さまざまな記録を認定しているギネスワールドレコーズ。「睡眠」にちなんだ世界記録で、みんなが興味のあることといったら「人はどれくらいの時間眠らずにいられるか?」ということではないでしょうか。

仕事が忙しかったり遊びに夢中になったりして、一晩徹夜したまま次の日がスタートしてしまった、といった経験をした人もいるでしょう。世界には、そんなレベルをはるかに凌駕するような不眠記録を持つ人がいるようです。

ある記録によれば19日間眠らなかったイギリス人女性もいたそうですが、ギネスが認定していた記録は、1964年にアメリカ人少年ランディ・ガードナーさんによる264時間12分。つまり丸11日間と少しというものでした。

そして2007年には、このガードナーさんの記録に挑んだ人物が現れました。当時42歳、イギリス人男性のトニー・ライトさんです。そして、ガードナーさんの記録を少し上回る266時間の不眠記録を打ち立てたのです。

眠らないとどうなる? 不眠記録の挑戦者に現れた症状とは

ところが、このライトさんの記録をギネスは認めませんでした。そして現在、不眠記録はギネスに収められていません。どうしてかというと、健康への害が考えられるとして、不眠記録の掲載を中止することにしたからです。

不眠への挑戦後、幸いなことにガードナーさんやライトさんの命に別状は見られませんでしたが、チャレンジの中でさまざまな症状が見られたといいます。研究者が立ち会ったガードナーさんの不眠記録にも詳しい様子が残されています。

まず不眠2日目には目の焦点が合わなくなり、視力や立体感覚が低下する様子が見られたといいます。3~5日目には気分が落ち込んだりイライラしたりしたうえ、運動機能や体力、協調性や思考力、記憶や集中力などが低下しています。

さらには幻覚症状が現れ、ネガティブな思い込みに陥る偏執症状も出てきたそうです。9~11日目にもなるとまとまった話ができなくなり、左右の眼球がバラバラに動いたり、指の震えが起き、無表情になったそうです。これでは、起きていてもとても正常な状態とはいえませんよね。

ライトさんもまた、不眠記録の達成直後には「I feel pretty good.(気分はいい)」と述べているものの、チャレンジ中には自分の話していることが不可解だと感じたり、色が明るく見える感覚があったといいます。

記録よりもずっと大切な、私たちの日常を支える睡眠

これを聞いて「ここまではキツそうだけど、ちょっとくらいは平気かな」と思われた方は気をつけてください。私たちが、「起きている」ということは、常に何らかの活動をしているということです。身近な例だと車の運転などもそうです。交通事故の多くは、睡眠不足による眠気や注意欠陥が原因であるといわれています。

自分や周りの人にとって安全に過ごすためには「ただ眠っていないだけ」の状態はとても危険なことなのです。もともと睡眠は、私たちが日々の暮らしを送るため、脳や体の疲れを解消し、機能を回復してベストな状態に保つためのシステム。普通は疲れを感じると、脳は「休め」と命令します。

しかし、その疲れが度を越してしまうと、脳の機能が低下するため、指令がうまく伝わらなくなり、眠いはずなのに眠さを感じないといった異常な状態に陥る場合があります。ムリを続けているうちにそのつらさを感じなくなり、自覚症状がないのに健康、さらには命を損ないかねません。

睡眠は大切なもの。だから不眠の記録に挑戦してもギネスに載せてもらえないのです。絶対に不眠に挑戦などはしないようにしてください。それよりも、最近頑張りすぎていないか自分自身の生活を振り返ってみて、脳や体の疲れのケアをしてみてはいかがでしょうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

体内時計クイズ ~あなたはどのくらい知っている?~

昼寝はなぜ20分程度がよいのでしょうか?

正解はこちら
整えよう、体内時計。自然な眠りと朝の目覚め。体内時計.jp
ネムジム食堂