「ストレスで眠れない」?「眠れないからストレス」?

Topics 2014年07月08日(火)

「ストレスで眠れない」?「眠れないからストレス」?

ストレスと不眠

日常で感じる様々なストレスと不眠。

上司や家族、友人からの何気ないひと言が「カチン」と来て、怒りを覚えたり、がっかりしたり、不安になったり、日常生活の色々な場面で「ストレス」を感じることはあるのではないでしょうか。

この「ストレス」が強いと、良質な眠りをとることができなくなります。それでは、少し科学的に「ストレス」を考えてみましょう。

解消できるストレスと、解消できないストレスがある

ストレスの原因は、ストレッサーと呼ばれます。物理的ストレッサーは寒さ、暑さ、騒音などで、生物的ストレッサーは、身体の炎症などです。そして心理的ストレッサーが怒りや不安などの感情に起因するものです。

この2つのストレッサーのうち、物理的なストレッサーは対処の仕方が明確です。たとえば、寒暖差はエアコンなどを使って解消できるでしょう。騒音は窓や遮音カーテンを利用して遮ることが出来ます。身体に炎症がある場合は、お医者さんなどに相談して炎症をしずめます。

やっかいなのが心理的なストレスです。とくに人間関係は思うようになりません。

ストレスを解消しようと、お酒を飲んだり、友人としゃべったり、テレビをみたり、パソコンを操作したりと、楽しいと思えることをしても、心理的ストレスが解消できないことが、皆さんもあるのではないでしょうか。そして心理的ストレスを抱えたまま、眠れない日々を送ることに陥ります。このように、「ストレスで眠れない」ことは誰にでも起こりうることです。

脳の覚醒レベルが低下し、ストレスに過剰反応

しかし、脳のメカニズムに着目すると「眠れないからストレスを感じる」と言えそうです。

動物は脳の覚醒レベルが低下すると、外敵に襲われ、食べられてしまう危険があります。脳の外敵を警戒する部位を活発に活動させて、ピリピリと周囲に注意をします。

感情を司る、脳の扁桃体という部位は、「快」「不快」を感じる動物的な脳です。この感情を司る扁桃体は、睡眠不足などで覚醒レベルが下がると、過剰に反応をするようになります。ささいな言葉にも過剰に反応して、不快を感じます。ヒトも動物ですから、これは太古から続いてきた当たり前の反応なのです。

脳は不眠のストレスを記憶する

扁桃体の後ろには、海馬という記憶を司る部位があります。海馬は扁桃体の反応を記憶し、似たような場面や状況で、記憶を呼び覚まして、不快の反応を扁桃体に返すという悪循環も始まります。つまり、睡眠不足により、日中ピリピリとした気分に支配されて、他人からの何気ないひと言や行動に不快感を覚えると、海馬がそれをストレスとして記憶してしまうのです。

脳の仕組みから考えると、「ストレスで眠れない」のではなくて、「眠れないのでストレスを感じる」と言えます。ストレスを生まないために、良質な眠りを心がけたいものです。

●人間関係等の心理的ストレスは、不眠の原因に

●睡眠不足によるストレスは脳に記憶され、繰り返される

●ストレスを生まないために、良質な眠りを

【参考】
『睡眠と脳の科学』
杏林大学医学部付属病院精神神経科教授/古賀良彦著 祥伝社
『朝昼夕3つのことを心がければOK!あなたの人生を変える睡眠の法則』
作業療法士/菅原洋平著 自由国民社

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