睡眠を指揮する、メラトニンリズムとは

Topics 2014年07月03日(木)

睡眠を指揮する、メラトニンリズムとは

メラトニンリズム

夜になっても眠くならないあなた。メラトニンリズムが崩れているかもしれません。

ヒトは生まれつき、睡眠をとり、覚醒しては活動をする生き物です。

これは呼吸と同じで、誰かに教えられて身につけた能力ではありません。

生体は眠りにつくためのリズムを生まれつき持っているのです。

今回は、睡眠に関わる「メラトニンリズム」、「睡眠・覚醒リズム」、「深部体温リズム」の3つのリズムを紹介します。

自然な眠りをもたらす、メラトニンリズム

メラトニンは、睡眠を誘うホルモンです。トリプトファン(必須アミノ酸)を原料にして、脳内でセロトニンに生成された後に、メラトニンに変化します。

セロトニンは、感情的な脳の働きをコントロールして、落ち着きをもたらし、勉強や仕事に集中できるように働いています。

このセロトニンはNアセチルセロトニンに変化した後に、メラトニンへと変化します。

メラトニンは光を感知すると減少し、夜間に暗くなると急速に増加します。そして自然な眠りへと誘うのです。これがメラトニンリズムです。

眠らないと大脳の判断力が低下

睡眠・覚醒リズムは、眠る脳(大脳)と眠らせる脳(脳幹)の連携で起こります。

脳幹は神経でつながっている大脳に信号を送って、大脳を眠らせます。

大脳は、活動中の判断や優先順位を決める高いレベルの脳の部位です。睡眠によるリフレッシュが必要で、眠らないと、活動中の適切な判断力が鈍るか失われてしまいます。これが睡眠・覚醒リズムです。睡眠・覚醒リズムが強く働くのは、起床から8時間後と、22時間後です。

深部体温が下がると眠くなる

深部体温リズムとは、肉体の内部の温度が変化するリズムです。食事を摂ったり、運動をしたりすると体温は上昇しますが、それは生体リズムとは関係がありません。絶食したり、絶対安静にしたりしても、深部体温リズムは無くならないことから、行動の要因とは関係なく、ヒトの体温は独自のリズムを刻んでいることが分かりました。

深部体温は、熱を手や足などの肉体の末端に放出して下がります。ですので、深部体温(体の内部の体温)が低下すると体の表面の手や足は熱を帯びます。よく、赤ちゃんが眠る前には手や足が温かくなりますが、深部体温が低下した自然な睡眠の証なのです。深部体温が低下して、眠りのスイッチが入って、自然に睡眠を誘うのです。深部体温は、起床から11時間後に最も高くなり、22時間後に最も低くなります。これが深部体温リズムです。

メラトニンリズムが、全てのリズムを指揮している

睡眠・覚醒リズムと、深部体温リズムは、意思によるコントロールはできません。ですから、この2つは内的リズムと呼ばれます。起床から22時間後に睡眠に入ろうとするリズムです。これは生活とはズレを起こしてしまうリズムです。睡眠障害には様々な原因がありますが、この内的リズムが不都合に現れることも、要因のひとつではないかと考えられています。

内的リズムに対して、メラトニンリズムは朝の強い外光を浴びることで、調整ができるリズムです。ですから外的リズムと呼ばれます。そして、この唯一の外的リズムであるメラトニンリズムが、睡眠・覚醒リズムと深部体温リズムの2つの内的リズムを調整して、ヒトを日中の活動と夜の睡眠に適合させています。

メラトニンリズムは、睡眠を指揮しているのです。

●自然な眠りをもたらす、「メラトニンリズム」

●「睡眠・覚醒リズム」が働く起床から8時間後と、22時間後

●起床から11時間後に最も高く、22時間後に最も低い「深部体温リズム」

【参考】
『睡眠障害―眠りのメカニズム 』慈恵医科大学青戸病院院長・精神科教授 伊藤洋著 NOVA出版
『朝昼夕3つのことを心がければOK!あなたの人生を変える睡眠の法則』
作業療法士/菅原洋平著 自由国民社

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